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読書の記録です。

「ηなのに夢のよう」

森博嗣/講談社

地上12メートルの松の枝に首吊り死体が!遺されていたのは「ηなのに夢のよう」と書かれたメッセージ。不可思議な場所での首吊り自殺が相次ぐなか、西之園萌絵は、両親を失った10年まえの飛行機事故の原因を知らされる。

萌絵さんが前面に出てますなー。ぐぐーっと。
嫌いではなく、むしろ好きなんですけど。萌絵さんの思考に迫るところは、いいと思うんです。ただ、これ加部谷と愉快な仲間たちシリーズだと思っていたので、「うーん?」と・・・。これから、配分が違ってくるとしても、加部谷たちが、あーでもないこーでもない、と議論を戦わせる(加部谷が一人で喋る)ところは好きなので、ここは絶対崩して欲しくないなあ。今回の事件、不可解な場所での首吊りは、風呂敷広げっぱなしですからね・・・。もう、せめて可能性の検討が無いとやってられないですよ。結局のところ、一つの事件のトリックよりも、背後の大きな何かについての話の一部分なんでしょうね。まあ、それでいっか、と思うような登場人物の魅力や、シリーズとしてのポジションを築いた森さんの勝利か・・・。
愛ちゃん・・・。誰?って思ったけど、確かにどこかで読んだような気がするのよ、君の名前!って感じで、一体どこに出ていたのか思いだせない。どうも、忘れっぽくてだめだなー。
最後は号泣でした。ううう・・・。物語が大きな展開を迎えようとしています。登場人物が成長していくことを感じることができる。シリーズものの醍醐味ですね。


「悩みがあったら、国枝先生に相談すると良いよ」
山吹は言った。
「ああ、それは速攻で効き目ありそうですね。先生、私、死にたくなっちゃったんですけど・・・・・・」
加部谷はそこで声を低くする。
「死ねば」




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