忍者ブログ
読書の記録です。

「“文学少女”と慟哭の巡礼者」

野村美月/エンターブレイン

突然ななせが入院したと聞き、見舞いに行った心葉は、片時も忘れたことのなかったひとりの少女と再会する。過去と変わらず微笑む少女。しかし彼女を中心として、心葉と周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか・・・。

こちらも久しぶりにシリーズ再読を始めた“文学少女”ですー。
とうとう真打ちの美羽さん登場!少しずつ前向きになっていた心葉を、またもや翻弄してめっためたに打ちのめします。ななせさんは、ただ単に意地っぱりなだけで、本当はピュアな女子なんだけど、美羽さんはスゴイねー。小悪魔だねー。と感心してました。悔しいが、こういう女の子に振り回されたい男子は多いんだろうなあ。まあ、振り回すにも容姿がかわいくなきゃ誰も振り回されてくれないっていうか、結局美人が得なように世の中できてるっていうか・・・。・・・。へこむわー・・・。
ここで、芥川くんと美羽の関係も明らかになります。友達が実は・・・というのは、結構きついと思います。芥川くんと心葉の教室での殴りあいはびっくりした!「あいつは、ただの女なんだ!(うろ覚え)」とか、高校生の会話ですかっ!?今まで、彼らは私と同じちょっと地味な方の高校生だと思ってたんよ。・・・もうね、衝撃・・・。
今回のモチーフは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。ジョバンニとカムラパネルラという名前は誰もがおなじみだと思います。しかしながら、私は銀河鉄道の夜を全部読んだことがないのです。全部読んだことがあるのは、注文の多い料理店だけなのです。風の又三郎もリタイアしたなー。あの、独特のオノマトペを始め、少し読みにくかったのかなあ。しかし、遠子先輩が語る銀河鉄道の夜は美しくて、悲しくて・・・。また、チャレンジしてみたくなりました。
心葉と美羽の、長い苦しみにも一応決着が着きました。美羽も、満たされない寂しさを抱えて必死だったんだとは思いますが、それにしても色々やりすぎだろう、とツッコミたくなりました。まあ、心葉がいいんだったら、いいんだろうけど・・・。私だったら許せないなあ。ななせさんとの殴り合いはスカッとした!心葉とななせさんとの距離が縮まりすぎて、遠子先輩は~?と心配になります。本命は遠子先輩ではなかったの!?ああ、でも胸の大きさでは勝ち目がないし・・・っていうか、受験、受験はどうなるの!?


PR