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読書の記録です。

「“文学少女”と穢名の天使」

野村美月/エンターブレイン

“文学少女”天野遠子が、何と突然の休部宣言!?そんな中、ひとりの少女が姿を消した。行方を追うななせと心葉の前に、やがて心葉自身の鏡写しのような、“天使”が姿を現す。

だいぶ前に読み終わっていたのさー。本が手元にあると思って油断していたら、こんなに後回しになっていました。
今回は、「オペラ座の怪人」がテーマ。オペラ座の怪人は、超有名なお話ですが、私が一番に思い浮かべるものは、「金田一少年の事件簿」だったりします。で、次は映画。意外に本には目がいきませんでした。そうか、ぶっといのか・・・。
ななせの気持ちが少し報われる巻。友達をあんな形で亡くしてしまったのだから、少しは良いことがないと!ななせさんは、私の中で赤丸急上昇中ですよ~。いつも、まっすぐ相手に気持ちをぶつけるところが、清々しい。
振り返ってみると、友達の夕歌さんは、かなり波乱万丈な人生だなあ、と思います。ななせさんはあんなにオクテなのに!笑。大人たちは、最後まで大人気なくて、私まで恥ずかしくなってしまいました。悔しいことに、才能というものは確かに存在していて、持たざる者は嫉妬の炎に身を焦がすしかないから。っていうのは、わかるんだけどね・・・。そして、思い込みから生まれた誤解ってやっかいだよな、と改めて思った。弁解する余地がないよなー。
遠子先輩は、相変わらず可愛らしく、シアワセでした・・・。そうよ、文学少女は耳年増なのよっ!笑。「本を一気食いしたい」なんて熱く語るのは、遠子先輩しかいないだろうなあ・・・。小説には強くても、勉強はイマイチな遠子先輩の受験は、どうなってしまうのでしょう?美羽さんの影よりも気になるところだ!メルアドを食べちゃったところは、切なくておもしろかった。「マッチョなサーファーが、恐山から海パン一枚で・・・」はナイス!心葉と遠子先輩の関係は、恋愛というよりは、兄妹みたいになってきました。遠子先輩の前だと、歪んだ感じの心葉も、かわいくなってしまいますから。
とうとう“文学少女”シリーズも完結してしまいました・・・。ラストまで、ゆっくりと楽しんで読んでいきたいと思います。


「ぼくは、知りたいのだろうか?
 たとえそれが、どんなに辛い真実でも?
 これまで以上の苦しみと絶望が降りかかってきて、二度と立てないほど打ち据えられることになっても?
 痛みに耐えきれず、狂ってしまっても?」



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