「“文学少女”と繋がれた愚者」
ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた。“文学少女”が、これに黙っているわけがなく、暴走する遠子に巻き込まれ、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川。過去に縛られ立ちすくむ魂を“文学少女”は解き放てるのか?
ああ、遠子先輩・・・。なんてかわいいんだ・・・!
もう気分は麻貴先輩です。そりゃあ、写真だってコレクションしちゃうさ!しちゃうとも!笑。それにしても、ツインテールにチアガールのコスプレとは。おぬし、なかなかやるな・・・。
と、遠子先輩を愛でつつ、今回はいつも穏やかな芥川くんの心の闇に迫ります。し、しかも、あんなにお堅い感じだったのに(私の勝手なイメージなんだけど)、色恋沙汰ですぜ!モチーフとなる本は、武者小路実篤の「友情」。三角関係だらけです。トライアングラー!(もう古いか・・・)いつもは、「何をうじうじしてんねん。うっとうしいわー」となるところなんですが、この、苦悩する芥川くんがなんとも母性本能をくすぐるのです。「どうしたの、芥川くんっ。君は一体何に悩んでいるのっ。」という感じに。これはモテるよね、確かに・・・。なんかわかるなあ。
最後のモノローグでは、登場するたびに、あの「コノハには、きっと、わからないだろうね」というなんともムカツク台詞がリフレインされる美羽さんの名前が。とうとう次巻で出てくるのかしらん。おそらく、心葉の才能に対する嫉妬なんだろうな、と思うんだけどー。それだけで、屋上から飛び降りたり、復讐したりするだろうか?っていうか、他人のことなんてわからないに決まってるじゃないの。話もしないで、そりゃないっしょ。
いつもは私の中で放置プレイ気味な心葉くんなんだけど、後半の遠子先輩とのやりとりから、芥川くんとの関係を一歩踏み出したあたりは良かったなあと思います。なんだかんだで、私、熱い物語が好きみたいです。まあ、これも遠子先輩の粋なお言葉があったからこそで・・・。と結局そこに落ち着く。
琴吹さん、ここまで心葉がにぶいと不憫でしょうがない・・・。笑。
「一緒に乗り越えたい。
胸が震えるほど強く願う。
どうか、どうか。」
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