「かわいそうだね?」
同情は美しい、それとも卑しい?美人の親友のこと、本当に好き?誰もが心に押しこめている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。愛しくて滑稽でブラックな“女子”の世界。
綿矢さん、かわいいですよね~。雑誌でお見かけすると、ついつい読んでしまいます。
どちらの短編も女子と女子の関係が主題で、男の人は、まあ、いるなあ程度の存在感・・・。
「かわいそうだね?」彼の元カノが、部屋に転がり込むことになった。この状況を受け入れられなければ、彼とは別れるしかない。頑張って理解のある彼女になろうと努力するが・・・。隆大はずるい!「同居を認められないなら。別れるしかない」と彼女に言うなんて!元カノと同居なんて、嫌に決まってんじゃん!ここはアメリカじゃなくて日本なんだから、日本の風習に合わせろっつーの!と読んでてむかっ腹が立ちました。アキヨと樹理恵のメールの対比がおもしろかった。親戚のおばちゃん・・・。最後はどうなるんだろう、とモヤモヤしながら読んでましたが、最後はスカッとしたー!彼のために自分を変える、それはそれでいいことだと思う。たぶん、誰だって誰かを好きになれば、多少なりとも変化が起きるものだと思う。だけど、自分のプライドをおとしめてまで、相手に迎合するのはちょっと違うよね。
「亜美ちゃんは美人」サカキちゃんは高校の頃から、同級生で誰から見ても美人の亜美ちゃんに懐かれている。年を経て、社会人になった2人。サカキちゃんは亜美ちゃんから婚約者を紹介される・・・。亜美ちゃんの婚約者のメンタルなわけのわからん発言がおもしろかった。サカキちゃんが、サークルの飲み会でいじられまくるのは読んでて辛かった・・・!このバカ男どもめ・・・!美人には美人の大変さがあるけれど、正直なところ、亜美ちゃんの孤独はどうでも良かった。サカキちゃんが亜美ちゃんの歪んだ心を理解していくにつれ、なんか、もう放っておけばいいのに・・・と思う私がいた。冷たいかな・・・。
一人称が「サカキちゃん」というのがかわいくて、ちょっと和んだ。
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