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読書の記録です。

「まほろ市の殺人」

/祥伝社

海沿いに位置する地方都市、真幌では季節が巡るごとに怪事件が起こる。息を呑む展開と周到に用意された驚くべきクライマックス。本格ミステリの実力派四人による渾身のシェアード・ワールド。

最初は1冊ずつ刊行されていたのを、まとめてみた感じ。こうなると、「最初からまとめて1冊で出せばいいのに!」って思ってしまうのだけど、これも話題づくりだったんですかねー。
「無節操な死人」(倉知淳)春!結局のところラブストーリーではないですか!倉知さんの作風は好きなのですが・・・。アドバルーンはちょっと無理があるっていうか、アレが街中を漂って、ベランダにひっかかったり、おしり撫でたりしたのかと想像するのは、あまり気分が良くない。
「夏に散る花」(我孫子武丸)夏!なんか、ラブ色が強いなあ・・・。とちょっと食傷気味に。一緒に待ち合わせの場所に現れた時点で、こいつは何かあるな、と思っていたのだけれど、最後の殺戮シーンにはびっくりしたぜ。そもそも、主人公にあんまり魅力を感じないので、何で2人ともこんな人を好きになったのかわかんない・・・。その謎は残ったまま。
「闇雲A子と憂鬱刑事」(麻耶雄高)秋!最近読んだ麻耶さんの短編は普通続きだったので、久しぶりに変なものが読めておもしろかった!助手が殺されたのは可哀相でした・・・。漢字をモチーフにした謎解きは納得。最後のオチもありがちと言えばそうなんですが、主人公がそれを承知済みというところに倒錯感が出ていると思う。つまり、主人公が変態なのが麻耶作品の特徴だと勝手に思っている私。
「蜃気楼に手を振る」(有栖川有栖)冬!何度も書いたことがあるかもしれませんが、私、ミステリーのトリックで双子ネタ使うのキライなんですー!結構双子ネタ多いですよね・・・。しかし、今回はすごい。三つ子と思わせておいて、実は・・・。という。なんだよ!ただ、生命の神秘の上に胡坐かいてるだけじゃん!顔が一緒じゃなきゃどうすんのさ?
こうやって感想を書いてみると、あんまり季節関係ないよね?



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