「太陽の塔」
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし、水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!
あの、話題の森見登美彦さん。こちらは、新潮文庫の100冊からチョイス。
色々なブログで紹介されていて、ずっと読む気マンマンだったんですよー。もう、他の本も買ってあるんです。積んであるんです。
こちらは、ファンタジーノベル大賞受賞作、森見さんのデビュー作ですかね。どの辺がファンタジーやねん、と裏手ツッコミを入れたくなるほどの、男の妄想に溢れている物語なのですが、まあ、そもそもファンタジーも妄想の産物のようなものなので、問題無いのでしょう。
小難しい言葉を捏ねくりまわして、アホらしいことをさも哲学的に語る様は、さすが変人の巣窟・京大生だなあと感心してしまいました。うん、京大はね、本当に変な人が集まるところですよね~。笑。学生の時に行った学園祭を思い出しました。
クリスマスを憎み、得体の知れない何かと戦い続ける彼ら。男汁を垂れ流しながら、脳内の妄想に遊ぶ彼ら。で、そんな主人公たちが、すごくおもしろくて、かわいく思えてきます。ちょいと私も仲間に加えてもらえんかね。
私は、岡本太郎さんの太陽の塔を、そこまですごいアートとは思えないのだ・・・。それはさておき、濃ゆい(そして汗くさい)男どもの中で、一見まともに見える水尾さんも、主人公と同じくらい濃い女性だと確信しているのです。似た者同士でも、うまくいかんものなのだなあ・・・。
余談ですが、今日手に入れたダ・ヴィンチの森見さん特集もおもしろかったです。
「我々を駆り立てる、このわけの分からない衝動は何であろう。おとなしくしていれば、普通の「幸せ」を享受し、堂々とクリスマス祭参加のチケットを手に入れることもできたかもしれぬ。「ええじゃないか騒動」などという何の脈絡もない暴動を画策する必要もなかったであろう。
我々のどうしようもない偉大さが、つまらない型にはまることを拒否したのだと煙に巻くことは簡単だ。
しかし。
しかし、時には型にはまった幸せも良いと、我々は呟いたこともあったのではないか。」
寂しいと一言で済ますのは簡単だ。でも、それだけじゃない何かがあるのだよ!わかるだろ?な?な?
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