「容疑者xの献身」
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。
ああ、文庫を買ってしまいました・・・。ハードカバーをすっごく我慢しただけに、文庫落ちを発見した時の衝動は抑え切れませんでした。
ドラマ化、映画化と話題になっているガリレオシリーズ。以前、感想で映像化したらおもしろそう~と言っていたにも関わらず、ドラマは一切観ていません。映画も観る予定はなし。なぜかというと、女性刑事(柴咲コウ)をメインに据えた配役のせいです。柴咲さん嫌いというわけでは決してなく・・・。あんなにキレイな女性と、男性主人公が、果たして良きパートナーという関係だけで終われるのだろうか?否!私が男だったらありえない!笑。・・・てな感じで、なくてええもんまでついてきちゃうんですよね。ちなみに私、福山雅治さんも好きなんですよ。誕生日一緒だし~。
てな話は置いておいて、直木賞を受賞したミステリーとはどれだけおもしろいのかしら!と、どきどきわくわくしながら読んでいました。期待しない人はいないでしょう!これだけ期待をかけられ続けるのも、逆に大変だろうなあ。犯人はあらすじの通り、初期の段階で分かっており、天才数学者・石神とガリレオこと湯川教授の対決が見ものです。天才数学者ということで、何やらすごい数式とかトリックで使われるのかな。と思っていたのですが、あんまり理系には関係なかった!良かった!思いこみの盲点ってところだけで・・・。私も数学は苦手なクチでして、草薙派です。理系に憧れつつ、苦手意識もありつつ・・・。
わびしい一人暮らしの石神だけど、学校ではきちんと先生で、意外に思うのと同時に安心したというか。数学に対する真摯な思いが良かった。生徒にゆっくりと語りかけるところが特に。私は、中学校の時先生に、こんな風に疑問を投げかけたことがあったのですが、まともに取り合ってくれる先生はいなかったなー。
最後の最後には、「えっ?」というどんでん返しが待っており、これこそがこの本の最大の武器だったのだなあと思いました。最初の方にもう一度立ち戻ること必至です。確かに、「献身」という言葉がぴったりの石神の思い。ピュアだなー。報われることがないからこそ、穢れなく見えるのね、きっと・・・。女性としては、嬉しいけれど重い!
あれ、石神のことしか書いてない・・・。笑。
そして先日立ち寄った本屋で、ガリレオの2冊同時刊行を発見して、出版業界の商戦を目の当たりにした気分。そこまであからさまだと、せっかくの本の魅力も半減ですね・・・。
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