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読書の記録です。

「本格ミステリ06」

本格ミステリ作家クラブ編/講談社

今回は既読のものが4作ありました。
それ以外の作品でいい感触だったのが、「太陽殿のイシス(ゴーレムの檻 現代版)」(柄刀一)。密室脱出トリック。そら無理やろーと思わないでもないのですが、実名を伏せた語り方といい神話とのシンクロといい、先へ先へ読ませる力を感じました。うわ、他の話も気になるかも・・・。
あとはー、「流れ星のつくり方」(道尾秀介)とても読後感が良かった。ホラーのようでいて、どこかほっとする空気。子供の動かし方がうまいですよね、道尾さん。「刀盗人」(岩井三四二)。これはトリックがシンプルで良かった。後味の悪い結末が意外で好み。
逆に、ちょっとアウトーな作品は「黄鶏帖の名跡」(森福都)。舞台の馴染みの無さも読みにくい原因のひとつかなあ、と思います。中国の歴史は良くわからない・・・。一番のマイナス点は、短編なのに長く話の展開がダラダラしていてテンポが悪いところでしょうか。
連作短編集のうちの一作、というポジションの短編がほとんどで、これを読んだだけではおもしろ味がわからないのかもしれません。私も連作短編集は大好きです!でも、たまには読みきりがあったっていいじゃん。そう見ると、蒼井上鷹さんは1作が独立していてなおかつクオリティの高い短編を書かれているなあ。すごいなあ。・・・どうして「最後のメッセージ」が収録されているんだ・・・。一番面白みに欠ける作品なのにー。残念。


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