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読書の記録です。

「聖なる怠け者の冒険」

森見登美彦/朝日新聞出版

一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味である、社会人二年目の小和田君。当然、小和田君は必死に断るのだが・・・・。宵山で賑やかな京都を舞台に、ここから果てしなく長い冒険が始まる。

図書館で8ヶ月待ちでした。みんな、ちゃんと返却日守ってる?って思いたくもなります。
で、この本、評価が二分に分かれてるな~という印象を受けました。好きな人は好きだけど、世界観に馴染めなかった人は楽しめない・・・という感じでしょうか。私は久しぶりのモリミーワールドを堪能させていただいて、大変満足でした。
表紙のぽんぽこ仮面が超かわいい。(中の人はアレだけど)アルパカ顔(っていうかアルパカそのもの)の人が小和田くんかと思っていたら、彼は5代目で、おそらく小和田君は一番奥のシルエット・・・?というくらいの主人公です。小和田くんの、「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」に何が書いてあるのか、気になっていたのですが、わからないまま終わって残念・・・。
ぽんぽこ仮面を追う謎の組織。探偵たち。狙われる小和田くん。でも、昼寝に余念がない小和田君。疲れ果てたぽんぽこ仮面。がんばれ、ぽんぽこ仮面!もう、ぽんぽこ仮面に手を差し出されたら、握っちゃうなあ。(中の人は・・・以下略)私、実際のところおせっかいは嫌いなんですが・・・。そして、ぽんぽこ仮面のように、面倒なことに首を突っ込みまくってる人は理解しがたいのですが・・・。後半、ズタボロになったぽんぽこ仮面が現れたときは、応援しましたとも!(中の・・・以下略)
物語の大半をぐうぐう寝て過ごした小和田くんも、後半には大活躍です。彼といいコンビ?の玉川さんは、「宵山万華鏡」に出てきたお姉ちゃんの方かな?八兵衛明神も出てきてたような・・・。でも、あの描写読んだ覚えがあるんだよねー。タヌキとお酒といえば「有頂天家族」で出てきた偽電気ブランに似たテングブランなるお酒もでてきます。私のイメージではブランデーのようなお酒なんですが・・・。どんな味なんだろう・・・。あまりにも美味しそうなので、想像がどんどん膨らみます。笑。
最後はめくるめく宵山不思議ワールドに迷い込みました。土曜倶楽部、日曜倶楽部、月曜倶楽部・・・のくだりはなんのこっちゃって感じでした。最後はみんながぽんぽこ仮面になって何が何やら。笑。これで我らがぽんぽこ仮面も安心して京都を発つことができるでしょう!
それにしても、森見さんは祇園祭が本当に好きなんですね~。
探偵さんの「やぷー」が流行らないかなあ。自分で使い始める勇気はない!


「我らが内なる怠け者に」


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