「退屈姫君伝」
吹けば飛ぶよな二万五千石の小藩に五十万石の姫君が異例のお輿入れ。いたずら好きの姫君は、田沼意次も絡んだ陰謀を探り当て、さあ大変。幕府隠密、くノ一、長屋の町人も巻き込み、藩の命運を賭けた大勝負の始まり始まり。
見目麗しいいたずら好きの姫君、その名もめだか姫。めだかって、また独特のネーミングセンスだな。ところがところが、段々この名前のひびきがかわいく思えてくるから不思議です。それも、このめだか姫の世間ずれしていない素直さ故。いいところをストレートに褒めれる人って、ほんとにスゴイと思います。
時代劇モノは、ものすごくブランクがあって(たぶん中学生以来ではないかな)、世界観に溶け込むのが大変でしたが、そこは落語のような軽快な言い回しのおかげで、まずまずのペースで読めました。テンポがとてもいいです。
ただ単に、悪人の陰謀を暴くという話ではなく、六不思議の謎を解いてみたり、町人の人生模様が見えたり、女の友情があったり、遅まきながら春の来た老女がおもしろかったり、見所は色々ありますよー。登場人物がみんな生き生きしていて、とても魅力的でした。
下ネタ、というほどのものではなく、ちょっとしたお色気シーン(しずかちゃんの入浴シーンのようなもの?)では、いかにもおじさん的言い回しが目立って、そこは微妙でした・・・。
続編が何冊か出ているようで、こちらも気になりますなー。
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