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読書の記録です。

「難民探偵」

西尾維新/講談社

ネットカフェ在住の元警視庁警視・根深陽義、就職浪人・窓居証子、人気小説家・窓居京樹が京都で発生した殺人事件の謎に挑む。

講談社100周年の書き下ろし企画だそうで。西尾さんの本、久しぶりに読みました。まあ、タイトルに「探偵」ってついてるし、多少はミステリーだろう。ミステリーならば、多少羽目を外していても大丈夫だろう。という打算づくしのチョイス。笑。昔は西尾作品を見かけたら、すぐに飛びついていたのになあ・・・。好みって変わるんだな・・・。(しんみり)
さて、本筋ですが、ちゃんと事件を解決するミステリーでした。西尾さんのはっちゃけたところも抑え気味で、物足りないファンは多かったかな?という感じ。私にとってはちょうど良かったです。ところどころ、語りが入るところは西尾さんだなーと思いましたが。それ以外は予想していたよりは、ソフト。
私としては、もうちょっと事件に比重を置いた方がおもしろかったんじゃないかな・・・と思います。捜査も謎解きもけっこうあっさりで、ちゃんとした手続きを踏襲しているのに、なんかもったいない。それにしても、防犯カメラに靴下が映るファッションってどんなだよ、とツッコミたかった。
主人公(?)の窓居証子の叔父である人気作家・窓居京樹の「作家裏話」とか根深陽義がどうしてネットカフェ難民をしているのかその苦悩とか。持たざる者からすれば、「なんだよその理屈!」となるわけで、非常にイライラした。登場人物がみんな口だけ達者な子供ばかり、という印象で好感の持てる人がいなかったのが残念。残念と言えば、事件が起こるまでの無駄な前フリもいただけない。
この脂身こそが西尾作品の魅力なのだろうけど、年のせいか、あっさりしたものの方がいいんだよねえ・・・。


「鎌かけを外す探偵というのも、実際、珍しい」
そりゃそうだ。笑。


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