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読書の記録です。

「鹿男あをによし」

万城目学/幻冬舎

神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」。失意の彼は、教授の勧めに従って2学期限定で奈良の女子高に赴任する。ほんの気休め、のはずだった。あいつが、渋みをきかせた中年男の声で話しかけてくるまでは・・・。
 
ドラマで玉木宏さんが演じていらっしゃいましたな~。わけがわからなくて、観てなかったけど・・・。本で読んだ方が、良くわかるしおもしろかった。原作はやはり強い!
イトちゃんの顔を表現する際に、頻繁に出てくる「野性的魚顔」という描写が印象に残っている。あえて魚を持ってくるとは・・・。笑。ストイックで、クールな彼女がとても好きだった。マドンナの長岡先生よりも。藤原くんも、おもろかったなあ・・・。奈良探索に出かけるところは、とてもほのぼのしました。
奈良と言えば、昨年正倉院展に行ってきました。カップルが多いのが驚きでした。あまり古い建物や、物にロマンを感じる人ではない私ですが、昔の人は、まさかこんなものが後生大事に保管されて、ショーケースに入れられ大勢の人が群がって見ているなんて想像もせんかったやろうなー、と思うと楽しかったです。休暇届けとか。いつの時代の人も、仕事に追われてたんだなあ。しみじみ。のついでに、鹿も愛でてきたわけです。鹿せんべい・・・、値上がりしてない!?しかし、これを食べたのか先生。笑。しかも美味しかったのか!・・・ということを思い出しながら読んでいました。やはり現地を知っていると楽しい!
最後には、地震(=なまず)を鎮める儀式に使われる道具「サンカク」に関するちょっとした謎解きも披露されています。鼠・鹿・狐、の使い番と運び番の関係なども合わさって、考古学的な香りが奈良にぴったりな味付けだったのではないでしょうか。
そういや、マイシカで思い出した!奈良に行った時に、悪ふざけで鹿に乗ってる観光客のおっさんを見たのですが、すごい臭いが服に付いたようです。・・・イトちゃん、君の服は大丈夫だったのか・・・?


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