「麒麟の翼」
寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかる男に声をかけた巡査が見たのは、胸に刺さったナイフだった。大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。
先にテレビで映画版の方を見ていたにも関わらず、いつもの記憶違いにより、犯人が工場長になってたっていう・・・。全然違う・・・。自分のことながら、毎度びっくりするわー・・・。
加賀恭一郎in日本橋シリーズ。日本橋良く知らないし、登場人物たちの思い入れとかも、ふーんって感じでしたけど、日本の道路の出発点が日本橋っていうのは勉強になりました。
最初はダレ気味でしたが、水天宮と折り鶴のあたりから、物語が一気に加速して、最後はなんだかんだでいい話にまとめてしまうところは、さすが東野さんと思いました。先生が生徒をかばったのは、生徒を守るため、というのはただの言い訳で、本当は先生の保身と生徒に誤った教育を行っただけだったんだなあ。先生に怒る加賀さんが熱いぜ!
最後に、映画でも「それどうなん?」と思ったポイントがあるんです。それは、青柳武明氏が刺された直後、彼の鞄を持って逃走途中にトラックにはねられて死亡した冬樹さん・・・。結局、彼は犯人ではなく、魔が差して鞄をとっただけ、という結論になりました。結婚する予定だった彼女が、最後に「彼、馬鹿ですよね。なんであんなことしたんだろ。」というコメントを残しています。いや、馬鹿は馬鹿なんだけど。いくらお金が必要だったからって、ナイフで刺された人から鞄取って逃げます?そんな場面に居合わせたことはありませんが・・・人間やったら、救急車やろ!と思います。対処が早ければ、助かっていたかもしれないのに。人でなしの所業ですよ。普段どれだけいい人だったとしても、到底許されることではないと思うのですが・・・。何か、「お金欲しかったから、仕方ないよね☆」くらいの軽さで流されてるのが、腑に落ちない・・・。
妊娠といいお参りといい「新参者」と雰囲気が似ていたかな。このあと、日本橋でどんな事件が起こるのか?金森さんとは何か進展があるのか?何かありそうな、なさそうな・・・。どっちでもいいんだけど・・・。笑。
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