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読書の記録です。

「狂骨の夢」

京極夏彦/講談社

夫を四度殺した女。極度の強迫観念に脅える元精神科医。神を信じ得ぬ牧師。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。京極堂は憑物を落とせるのか?

京極堂は約3分の2が過ぎたあたりで登場。遅いよ!それから後は京極堂オンステージ!なわけですが。
夢か狂気としか説明の仕様のない状況が、理路整然と整理されていく様はお見事。特に3人の復員服姿の男と、金色髑髏事件の辺りはなるほどと言うより他ありません。二人の朱美は、伊佐間が会った朱美と教会の朱美は別人ぽいなあと思っていたので、まあ許せる範囲かなあ。すごい思い込みですけれども。
宗教って禁欲的なものだと思ってたんですが、何事にもイレギュラーなものって存在するんですねー。京極堂の講釈はちんぷんかんぷんでしたが、とてつもない虚妄だということはわかりました。うーん、それがすべての始まりなんてくだらない・・・。
メインの登場人物が出てくるまで、波がーとかフロイトがーとかうだうだ言ってるページが長かったために、今回はちょっと中だるみ(前だるみ?)してしまいました。残念。髑髏を取り巻く事件のつながりは読んでておもしろかったです。
次は鼠かー。


「榎さん、この手の話に双子は拙い」
「なぜだ!双子だって犯罪を犯すし、双子だって殺されることもあるぞ。関君、君は双子に人権を与えないのか」
榎木津さんは今回も絶好調。
双子はまずいって。四つ子はもっとまずいんだって!笑。


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