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読書の記録です。

「夜のピクニック」

恩田陸/新潮社

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために。

私も、修学旅行より歩行祭が良かったな~。
修学旅行も楽しいもんですが、高校生活最後のイベントをじっくりと噛み締めている彼女達がうらやましいです。私、スキーだったんですけど、修学旅行は、確か2年の終わりに済ませたので、高校生活振り返るとかそういうポジションに無かったんですよねー。笑。
歩きながら話す、という設定は「黒と茶の幻想」に似たものを感じ、あまり新鮮味は感じなかったです。そのせいか、つまらなくは無かったのですが、会話や思考などに今ひとつ面白みを感じず、「これはいまいちかな」と思っていました。ところがところが、最後の最後で貴子と融が和解するあたりの盛り上がりが、ぐっときましたねー。ぎくしゃくしてた友達と、ふっと会話が出来た時の嬉しさを思い出しました。うん、2人とも良かったねえ。ロマンティックできれいな締め方も、青春小説なら成功と言っていいと思います。
ただ、評判ほどおもしろいかというと、そうでもなかったなあと言うのが正直なところ。過度な期待は危険だと思いました。


「だけどさ、雑音だって、おまえを作ってるんだよ。雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。」
意外に熱い忍くんが好きでした。押し付けがましくないところがいい。


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