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読書の記録です。

「交響詩篇エウレカセブン 3」

杉原智則/角川書店

危機に直面したゲッコーステイトを、さらに不測の事態が襲う。月光号で裏切りが発覚したのだ。彼の手引きにより連邦首都へと拉致されたエウレカとレントン。そこで彼らを迎えた男は、二人を贄とし己の野望を実現せんとしていた。

アニメ版エウレカとは、だいぶ違ってきたぞー。
とは言っても、もうアニメの方の話の流れもあやふやなのですが・・・。裏切りは無かったはず。コーラリアンやトラパー、それにデューイの計画など、アニメでは感覚的に捉えていた概念が、理論的(?)に捉えられるようになったことが良かったです。もう、アニメとの違いなんて関係なく、展開も文章も文句をつけるところが無いので、安心して読めます。
今回は、葛藤が見所かと。ホランドのコンプレックスや、内面がメインなのですが、私はやっぱり後半のアネモネとドミニクの対話が印象的でした。アネモネは第二のヒロインですからねー。サディスティックな反面、ぼろぼろで健気なところがほっとけないというか。ドミニクの気持ちが、良くわかるんだわー。ホランドも、アニメよりカッコイイではありませんか!笑。“少年ハート”はやっぱりホランドにぴったりだなー。
アニメ版のエウレカとレントンは、正直、ハッピーエンドだと私には思えなかった。アネモネとドミニクは甘かったけど。小説は、みんながハッピーになれる最後だといいな・・・。


「嘘つき!あんた、どこにもいなかったじゃない。あたしが本当にひとりきりのとき、あんた、側になんていなかった。コーラリアンと戦うって、どういうことかわかる?痛いんだよ、苦しいんだよ。あたしの中にたっくさんの誰かが遠慮もなしに入ってきて、それだけでも苦しいのに、あたしはその誰かを殺さなくちゃいけない。あたしの中のたくさんのあたし。あたしは自分を殺すのよ。何度も、何度も。引き裂いて、ずたずたにして、火をかけて、あたしの歯で噛み砕く。何度も、あたし・・・・・・あたしを、殺すんだよ!」


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