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読書の記録です。

「ジョン平とぼくと」

大西科学/ソフトバンククリエイティブ

そこは小さな魔法が日常的に存在する世界。魔法の苦手な高校生・北見重は使い魔・ジョン平とともに、なんとか日々をやりすごしている。そんなある日、新任の物理化学教師がやってくる。それは大きな出来事の序曲にすぎなかった。

「砂浜。トマト。振り子。靴」
意味の無い言葉の羅列。けれど、この言葉の組み合わせを唱えると、空中に光球が生まれる。今まで、色々ライトノベルを読んできたけれど、こんな呪文初めて見たよ。
この世界では、日常的に魔法が使われ、ほとんどの人に専属の使い魔が存在します。いいなあ。私だったら、やっぱり犬か猫かな。フクロウもヘドウィグみたいでいいな。鳥なら鷹もかっこいいよね、などここだけで妄想は果てしなく広がります。しかも、彼らは馴致されていくに従って、人間顔負けの思考をし、流暢に言葉を喋り、いつしかかけがえのないパートナーとなるのです。
主人公・重の使い魔は犬のジョン平。かわいいもの好きにとっては、もう、ジョン平がたまらない!「じょんぺい、ごめんって、いってごめん」とか。かわいい奴め!
事件は大掛かりなものではなく、小さく収まったという感じ。細菌が使い魔って、ある意味最強じゃないのって思ったり。最後はうやむやに終了。ネタバレになりますが、本筋の事件よりもショッキングだったのが、交際発覚。幼なじみなら、なおさら言わなくちゃ駄目だって!朝の特訓に付き合ってもらったりしたら、勘違いもするよ。重に気を持たせる行動をする前に、探偵ごっこは彼氏としたらどうかね。1年前からだったら、もう、言うタイミングなんてとっくの昔に逃してて、このまま重には隠したまま、3人で今まで通りなあなあで付き合おうって思ってたんでしょう?私も、付き合ってることを第3者から知って、「聞いた時に、何故教えてくれなかったのか」と思ったことがあるので、すごくこの辺は重に同情的でした。私の場合、好きでも何でも無かったから、友情ダメージだけで済みましたけど、彼の場合はこれに失恋ダメージも加わりますから、総合ダメージは結構なものだろうな。試験も含めてその他もろもろ、ジョン平と共に頑張って欲しい。


「魔法は、信じることによって成り立っているのだ。疑い、考えることではなく。」


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