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読書の記録です。

「白の鳥と黒の鳥」

いしいしんじ/角川書店

耳を澄ませば、すぐ近くに聞こえてくる、小鳥たちのさえずり、住人たちの笑いと息づかい。世界のはしっこで生きぬく幸福な物語。物語の魔法つかい、いしいしんじの愛しき短篇小説集。

「雪屋のロッスさん」で味をしめて、読んでみました2冊め。
・・・難解でした・・・。
不思議な世界観にはギャップを感じなかったのですが、物語の着地点が「?」というものが多かったと思います。もちろん、中にはいいものもありました。
“カラタチとブルーベル”“すげ替えられた顔色”“薄い金髪のジェーン”“おっとせいを飼う”“赤と青の双子”“透明に関する四つの小話”“紅葉狩り顛末”“太ったひとばかりが住んでいる村”
が良かったです。中でも、“透明に関する~”が好き。この長さのお話が、一番しっくりくるようです。
この本を読んでいて、「あ、“独白するユニバーサル横メルカトル”に似てる・・・。」と感じました。全然方向性は違うんですけれども。狂気とか、エゴイズムとか、そんなようなものを感じるんです。平山さんはエグ味の中に、いしいさんは絵本の中に隠しているような・・・。不思議の中に、一滴加えるエッセンスに、同じ香りを感じました。あくまで、私の主観ですので、怒らないで下さいねー。(両作家さんのファンの皆様へ)


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