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読書の記録です。

「この本が、世界に存在することに」

角田光代/メディアファクトリー

なきたくなるほどいとおしい、ふつうの人々の“本をめぐる物語”が、あなたをやさしく包みます。心にしみいる九つの短編を収録。

途中まで、エッセイだと勘違いしていました。何となく「できすぎた話だなー」とは思っていたのですが・・・。“引き出しの奥”で「んんん?これはもしや・・・」と思い、次の話で一人称が「ぼく」となっていたので、間違いに気付きました。そう、これは創作です。
私もアホだったんですけど、エッセイだと勘違いするような自然な思考と動作も少しは関係してるんじゃないかなーと自己弁護。冷静に見ると、やっぱりできすぎた出来事なんですけどね。でも、自分がかつて売った本に外国で出会ったり、不幸を呼ぶ本があったり、旅先で別れの手紙を見つけたりしたっていいじゃない、と思います。あと、商店街の本屋さんとか古本屋さんっていいな、と思いました。私の生活エリアにある古本屋はブックオフと似たような感じの店ばかりだし、本屋さんはショッピングセンター内か大型書店くらいだし。きれいで整頓されていて、買い物は非常に快適なんだけど、本の匂いはしないんですよ。それが少し寂しいですね。
ええと、あと、プレゼントに本を送るのは、よっぽど相手の趣味を把握していない限りはやめておいた方が無難だよな。私、基本的に本って自分で選択するものだと思っているので、オススメを教えてもらうのは嬉しいのですが、いきなり「これ、とってもいい本なの!」って現物をもらっても困ると思う・・・。
こんな風に、本にまつわるちょっと非日常な出来事が起こったら、きっと楽しいだろうなー。


「本を読もうが読むまいが人は人より優位には立てないのだし、好きになる気持ちにそんなことはさほど関係がない。」


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