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読書の記録です。

「片耳うさぎ」

大崎梢/光文社

蔵波奈都は小学六年生。引っ越してきた父の実家は、古くて大きなお屋敷で、どうしても馴染めない。しかも、このお屋敷には不吉な言い伝えがあるというのだ。弱った奈都が頼ったのは、ひとりの謎めいた女子中学生だった。

「晩夏に捧ぐ」の感想を忘れてしまいそうになりながら、シリーズ外の作品を。かわいい題名とは裏腹に、ちょいとブラックな旧家の過去が暴かれます。表紙はこんなにほのぼのしているのに・・・。
奈都のあまりのびびりように、てっきり家に一人ぼっちなのかと思っていたら、親戚いっぱい住んでるじゃん!ってつっこんじゃいました。笑。うーん、私も田舎の祖父の家は寒くて暗くてあんまり好きじゃなかったですけど・・・。こんなに怖がりだったかなあ・・・。
さゆりのキャラクターが少々受け入れにくかったかなー、と。だって、めっさ傍若無人じゃないっすか。年下の子が怖がってるのに・・・。とちょっと引いた目線で見てしまいました。その好奇心が無いと、物語が成り立たないわけですが!必要な人材なのですが!
舞台は主に蔵波家。の屋根裏。私、てっきりあの部屋は蔵なのかと思ってたんですが、見当違いでしたー。物語の説明でも、屋敷の内部は入り組んでいるので、どこをどう進んだか地図で追いかけるのをあきらめました。わかんねー。
最後にはまるーく収まって、後味良く終わっています。しかし、どうしても子供じみた印象を拭えない・・・。せっかく黒い題材を扱っているのだから、なんかスパイスみたいに、ぴりっと一つ欲しかったかなー。


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