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読書の記録です。

「スロウハイツの神様」

辻村深月/講談社

猟奇的なファンによる小説を模倣した大量殺人事件から10年。筆を折っていたチヨダ・コーキは見事復活し、売れっ子脚本家・赤羽環と、その友人たちとの幸せな共同生活をスタートさせた。しかし謎の少女の出現により…。

ああ、やっぱり同じ種類のサプライズか・・・。というがっかり感もありましたが、いい話でした。まあ、最後のほうはご都合主義的なところもあり・・・。これはミステリーというジャンルでは括れないのでは。
環がもんのすごく苦手なタイプだなー、と思ってました。もう出だしから、最後の方まで。だけど、最後の最後で、好きな人のことになるとなんで余裕が無くなっちゃうんだろうっていう独白があって、突然180℃見方が変わっちゃいました。なんだ、かわいいヤツじゃんって。それぐらい、あのシーンは良かったと思います。うん。
私は、あまり他人の領域に踏み込まないし、踏み込まれるのも苦手なので、彼らの関係はとてもしんどそうに見えたなあ。ちょっとうらやましいけど・・・。なんか、あんまり、人の生き方とか身の処し方に突っ込んだ意見を言うことってないじゃないですか。私は無いんです。なぜかというと、自分自身が今の自分に疑問を抱いていて、逆に突っ込んだことを言われた時に、ショックに耐えれられる自信が無いからなんですけど。そこが違うんかなーって思いました。迷いはあるけど、何かを持っているというか・・・。そこがあるから、言いたいことが言えるんかなー。みんながぶつかって、そんで成長して、巣立っていく。まさに青春小説。


「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」


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