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読書の記録です。

「GosickⅣ」

桜庭一樹/富士見書房

聖マルグリット学園の時計塔で起きた密室殺人。それは、かつてソヴュールに君臨した謎の錬金術師・リヴァイアサンと関係しているらしい。歴史の裏に受け継がれる血塗られた運命とは?

直木賞を受賞されて、なんだかとっても遠いところへ行ってしまったなー、感のある桜庭さん。めざましテレビでちらりとGosickシリーズにも触れられていて、でもきっと話題作だけ読まれて終わるんだろうな、さみしいな、と思いながら見ていた。
まあ、それはさておき。今回は学園を離れての冒険ではなく、学園内に秘められた謎に迫ります。聖マルグリット学園は、今でこそ他国からの留学生を受け入れているが、ヴィクトリカの存在など過去のソヴュールの暗部が隠されている場所なんだとさ。そのうちのひとつ、錬金術師のリヴァイアサンの時を越えた挑戦を、我らがヴィクトリカ嬢が暇つぶしに受けて立つ。いつもは、蚊帳の外(笑)のアブリルも推理合戦に加わったり、灰色狼ヴィクトリカとの初対面もあり、で、4作目にして学園モノっぽい雰囲気です。ヴィクトリカとアブリルの掛け合いがおもしろくって。笑。よりにもよって、なんで「屁こきいもり(ニュート)」って呼ぶかなあ!なんだかんだで、ヴィクトリカに優しいアブリルも良い子だと思います。株が上がったなあ。
結局のところ、時計塔の仕掛けだね!って結果に終わったのが残念でなりません。錬金術の着地点は、言われてみればなるほどな、な感じ。歴史にからめてあることと、幕間のリヴァイアサンの独白がシンプルな謎解きをおもしろくしているのかも。ヨーロッパの異国の雰囲気や、どこか秘密めいた学園の空気をうまく使われているなあと毎度のことながら、感心しています。
ところでところで、ブロワ警部、髪下ろしたらめっちゃ男前じゃないですか!と絵師・武田さんの絵にうっとり。挿絵ってほんと重要だ。
次は長編にしようかなー、短編にしようかなー。赤髪の彼も気になるところですが、桜庭さんの良質の短編も捨てがたい。こんなにあとがきがおもしろい本もなかなかありません。コ、コマドロ・・・!


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