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読書の記録です。

「鋼殻のレギオス」

雨木シュウスケ/富士見書房

大地の実りから見捨てられた世界。汚染獣たちが溢れ、人類は自立移動都市の中で暮らしている。その一つ、学園都市ツェルニの新入生レイフォンは、奨学金を得た一般科の生徒。彼は、ある事情から入学早々転科することに。

富士見祭り(?)も、4冊目で終了です。珍しく固めて読んだなあ。
さてさて、何かと話題のこのシリーズ。刊行ペースが恐ろしく速く(ほとんどのラノベに言えることだけれども)、気が向いた時には、もう8巻まで進んでいました・・・。私にとって、よくある状況なのですが・・・。ラノベ以外の本も読みたいしー。そしたら追いつかないしー。エンドレス。
移動する都市、という設定がおもしろかったなー。「ハウルの動く城」を関連して思い浮かべたのですが、あれはあくまで個人の家だから、もっと大きくて複雑な仕組みなのね。かつて栄えていた人類が衰退し、汚染獣たちが勝ち残った、という世界観が気に入りました。レジェンド・オブ・レギオスが詳しそうなので、そっちを先に読みたい誘惑に駆られます。
人間同士のバトル、または汚染獣とのバトルも描かれ、それも本作品のみどころだとは思いますが、私の印象としては、やはりこれは青春学園ファンタジーかな、と。だって友達女の子ばっかだし。笑。
まあ、それだけではなく、物語の中心には、迷って揺れているレイフォンの姿が常にあるからかもしれません。自分の思惑とは違い、逃げてきたはずのグレンダンでの過去に縛られる。本気を出さなかったり、だけど必要に迫られて出してみたり。「戦う」ということに、何か理由を求めているところに、青春モノの青い香りを感じます。一体彼はどこに行き着くのかなあ。レイフォンがうじうじうじうじしてるもんだから、対極にいるニーナが本当に眩しく見えてしまう。彼女のストレートさは、これからも生かされて欲しいところです。フェリは・・・。そうだな、たぶんレイフォンに引っ張られて、これからも戦いで実力を発揮する状況に追い込まれていくことだろうという想像を超える何かが起こればいいなと。
えー、最後に言わせてもらうと。
みんな、こんなニブい男のどこがいいんだっ!?
私は恋愛対象としては、レイフォンはダメだなあ。こんな暖簾に腕押しで、ぬかに釘だったら、失望してあきらめちゃうなー。


「わたしたちの力がなんのためにある?なんのためにこの力はわたしたちに宿ったのだ!?この時のためではないのか?」


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