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読書の記録です。

「鉄鼠の檻」

京極夏彦/講談社

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。

やっとこさ、鼠が読めました!図書館でなかなか巡りあえず、人に借りて読みました。あくまで自分では買わない。笑。だって文庫で1500円とかありえないでしょ!ハードカバー並みじゃん!
・・・という弁当箱サイズの文庫を抱えて、2週間は格闘したと思う。格闘って言葉を使ったけど、今回はとてもおもしろかった。2作目の次に良かったなー、と。薀蓄は健在ですが、話のテンポが良かったせいだろうなあと思いました。謎が解き明かされるタイミングがお見事。禅寺の正体。覚丹の正体。了稔の野望。鈴は何者なのか。松宮と飯窪の関係は?などなど、後半はぐいぐい引き込まれていきます。1作目「姑獲鳥の夏」とリンクしているあの人やこの人も出てくるよ!でも、あんまり覚えてなかったよ!つくづく自分はもったいないことをしているなあ、と思うわー。
今回は、箱根の禅寺が主な舞台です。禅といえば、座禅・・・?というイメージしかなかったので、起源から説明されてあって、とっつきやすかったです。あんまり覚えてなくてごめんなさい。問答というものが、私はとても苦手で・・・。興味深い思考なのだけど、正直、どうでもいい話だ。笑。
まあ、京極堂の登場の遅さとおいしいところをかっさらっていくところはいつも通りでした。榎木津の出番が少なくて残念だったなあ。たぶん、脇役としては多い方なんだろうけど。木場さんなんか、今回は出てこなかったし。きっと、愛ゆえの物足りなさなのよ~。彼の率直な物言いが好きなのです。聞いてて気持ちいいよね。
最後に、死後、便器に頭から突っ込まれるのだけはイヤだなあ、と強く思ったことを記しておこうと思う。一番悲惨な見立てだよなあ・・・。


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