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読書の記録です。

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「乱鴉の島」

有栖川有栖/講談社

臨床犯罪社会学者の火村は、友人の作家・有栖川と休暇に出かける。だが、彼らがたどり着いたのは、目的地とは違う場所だった。そこには、不可解な目的を持った人々が集まっていた。訝る火村たちの前で、殺人事件が発生する。事件の背後に隠された彼らの「秘密」とは何なのか!?

野郎が2人で慰安旅行・・・。
・・・。・・・おっと、腐女子っぽい反応をしてしまった!友達と旅行って、女子も良くするもんね~。フツー、フツー。
最初の設定に足を取られてしまいました・・・。えー、こちらは火村さんシリーズになります。私にとっては、有栖川さんの代表作はこれ、というイメージがあります。
本格ミステリにふさわしく、舞台は絶海の孤島。「鳥島」と「烏島」。勘違いで、目的とは別の島にたどり着いてしまった2人。しかも、迎えの船はしばらく来ない。しばらく宿にやっかいになることに。そこには、著名な作家・海老原瞬、不妊治療の権威・藤井継介、カリスマ経営者・初芝真路などのゲストが集っていた。果たして、彼らの目的とは!?
この目的ってなんなんだー!と気になって、一気読みでした。また、これにかぶせるように起こる殺人事件。有栖川と火村は、招かれざる客人、完全なアウェイです。この困難な状況の中で、どのようにして事件を解決に導くのか?
動機に関しては、わかるような、わからんような・・・。裏テーマとして、クローン技術が出てきています。倫理的な問題により、人間のクローンを作り出すことは禁止されています。しかし、論理的には可能なんだよな・・・。世の中に知られていないだけで、水面下ではもう誰かのクローンが生まれていても不思議ではないよね。自分自身のクローンも、誰かのクローンも欲しいとは思わない。同じ遺伝子を持っていても、私は私しかいないし、同じ時間を共有していないその人を、同じように愛せるとは到底思えないからだ、たぶん。だから、先生も社長さんも、歪んでるなあ~と思いながら読んでました。
謎解きには、目新しいことはなかったんだけど、物語の展開の仕方にひかれました。謎のチラ見せがうまいというか。本格は、やはりオーソドックスでおもしろいなあ。ハズレが少ない。


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