「不連続の世界」 本 2009年07月05日 恩田陸/幻冬舎音楽ディレクター塚崎多聞のフランス人の妻ジャンヌが突然、里帰りし、そのまま音信不通になって、そろそろ1年になろうとしていた…。「月の裏側」の塚崎多聞、再登場。恩田陸版「トラベルミステリー」。「月の裏側」がどんな話か忘れてしまいまして・・・。塚崎多聞と聞いても、音楽ディレクターの人が出ていた、かもしれないくらいの記憶。ただ覚えているのは、とても後味の悪い話だったなあということくらい。本作は短編で、旅行の相手は、友人やら仕事関係やらさまざま。私は頻繁に旅に出かけない人なので、そのフットワークの軽さがうらやましい。旅行といえば、ごはん!みたいなノリで、おいしそうなものを食べながら、あーでもない、こーでもないと言ってるところが恩田さんっぽい作風。とめどない会話が上手だなー。話のオチはついていることはついているんですが、今回は、うーん・・・と言う感じのものばかりでしたね・・・。うーん・・・。雰囲気としては、「悪魔を憐れむ歌」の山が鳴る感じ。「幻影キネマ」のラーメン。「砂丘ピクニック」のメルセデスおばさんの乳。「夜明けのガスパール」の男の友情。など、ピンポイントでいいなあと感じるところはあったのですが。まあ、怪談のオチなんて、こんなもんですよね・・・。 PR