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読書の記録です。

「フライ,ダディ,フライ」

金城一紀/角川書店

鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木が出会ったのは、ザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木は大切なものを取り戻せるのか。

いつの間に、ザ・ゾンビーズという名前が・・・。
金城さんは未読だったのですが、なぜか、難しそうな本というイメージが張り付いていました。この本は、そのイメージを払拭してくれました。やはり先入観って危険だわ~。とても読みやすかったです!
本は未読だったのですが、ずっと前に映画は見たことがあったので、だいたいの話の流れは知っていた。本と映画は、あらすじは大きく違うところもなく、一緒だと思いました。ただ、本の方は、より高校生(ゾンビーズ)の面々をクローズアップしているなあという印象を受けました。山下君なんか、映画ではこんなに印象に残らなかったと思う・・・。
現実、こんなにわかりやすい勧善懲悪って無いよなあと思ってしまいましたが、最後はとても爽快でした。なんだかんだ言って、分かりやすいのは好きです。笑。
朴くんと鈴木さんの交流はとても良かった。本当の親子より親子らしいというか。私はもちろん、格闘技などやったことがないのですが、闘いの中で、純粋に強さのみを追求するのって難しいのかもしれないと感じました。相手に対する憎しみがあればなおさら。そこに、踏みにじることへの悦びや優越感がどうしても出てくるのだもの。だから、それを乗り越えた朴くんや鈴木さんが、とても高貴に見えるのかもしれない。空を飛べるくらいに。



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