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読書の記録です。

「禁断のパンダ」

拓未司/宝島社

柴山幸太は神戸でビストロを営む新進気鋭の料理人。彼は、妻の友人の結婚披露宴で新郎の祖父である中島と知り合う。中島は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家であった。幸太が中島と知り合った翌日、神戸ポートタワーで一人の男性の刺殺体が発見される。

こんな動機、レクター博士だけだと思ってたよ!
このミス大賞受賞作。巻末の選評にも書いてある通り、グルメパートは本当においしそうに思えるんですが、ミステリーパートがいまいち面白みに欠けるのです・・・。なんせ、あの刑事コンビのカラーの無さと言ったら・・・!無色透明、無味無臭。地元・神戸が舞台なので、応援したいんだけど・・・、ちょっと手放しで面白いとは褒められません。
表紙といい、パンダといい、かわいらしい感じの話を想像していたら、すごいがっくりきます。笑。シュールな展開は、好きな方なのでそこは別にいいんだけれど・・・。果たして、人肉はおいしいのか?という素朴な疑問が。シェフの腕前どうこうじゃないって。カニバリズムは、現実に歴史上行われていて、罪を犯したのはパンダだけではないようです。何か宗教的な意味があったり・・・という場合もあったようですが、食べることが目的だったケースもあるそうです。えぐいぜ、人間。
食欲と言えば、七つの大罪(傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲)を思い出しました。これらはすべて人間らしい感情であると同時に、人間を悪に導く危険な感情なのです。何事も適量が一番。美味しいものを食べすぎるのも、困ったもんだ~。


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