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読書の記録です。

「陰陽屋へようこそ」

天野頌子/ポプラ社

王子稲荷に見守られるのんきな商店街にある日現れたあやしい店、陰陽屋。店主とアルバイトのへっぽこコンビがお悩み解決いたします。

なんか、イメージと全然違いました・・・。もっと美人なお姉さんが出てくる、大人の男女のかっこいい式神対決を想像していました。何を根拠に陰陽師=大人の男女なのかは不明ですが。笑。読み終わった後で気がついたのだけれど、ポプラ社って児童書籍がメインの出版社だっけ・・・?まあ、そんなノリの話です。
主人公は化け狐の少年、瞬太。彼が暮らす町の商店街に、陰陽屋という占い屋がオープン。占い好きの母親に連れられて陰陽屋を訪れた瞬太は、自称陰陽師・安倍祥明に正体を見破られ、口封じの代わりにアルバイトをすることになる・・・。この、陰陽屋に訪れる人たちからの依頼が物語の核となっています。祥明はインチキ陰陽師なので、占いではなく、ホスト時代に培った話術でこれを乗り切ります。家庭の不和はどこにでもある話で、いちいち気に病むなとか。
まあ、一つ一つのエピソードよりも、瞬太をめぐるクラスメートの関係や、祥明の家庭の事情などの方がおもしろかったなあという気がします。瞬太本人は、化け狐である自分の正体を、うまく隠せていると思ってるんだけど、みんなにはバレバレなところとか。瞬太くん、とにかく素直でかわいいのです。今時、こんなかわいい中3男子いません!母親は嬉しいだろうな~。反対に、祥明の母親はかなりの傍若無人っぷりにひいた・・・。彼は結構意地が悪いなあと感じることがあったのですが、その歪みはここからきたのか!と。
祥明は、実は本当は、由緒正しき陰陽師の家柄かなんかで、霊感も占いも本物というオチなんやわーと思っていたけれど、違うんですねえ。がっかりー。卒論のための勉強と、実際の修行は違いますもん。結局インチキか!


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