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読書の記録です。

「少年少女飛行倶楽部」

加納朋子/文藝春秋

中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?

ヘンな名前の部員が集うクラブ。でもあだ名は普通。
物語の登場人物で、変わった名前はたくさん見かけますけれども、朋と書いて「るなるな」は・・・。いただけないなあ・・・。
最初はいやいやクラブに入ったはずの海月が、部長のため(とは自覚せず?)、頑張っちゃうお話。この海月ことくーちゃんが、面倒見のいいとてもいい子。私は彼女の母が一番好きな登場人物でした。アドバイスも全然説教臭くなく、言動もおもしろくて、かわいい!こんな家庭で育ったから、いい子に育ったのねえ。としみじみ。
ところがところが、このくーちゃんの恋のお相手カミサマ部長が、どうも好きになれなくて困った。他の飛行クラブの面々も、キャラは立っているんだけど、魅力を感じる人がいなかった。私、脇役好きなんだけどなあ。珍しい・・・。カミサマ部長の唯我独尊ぶりは、ただ空気の読めない人だし~。かわいげがあるんだけど、足りない(笑)。まあ基本、部員は全員マイペース揃い。いやー、この中でやっていけるくーちゃんはホントすごいわー。
クライマックス、自宅の高層マンションから脱出を試みた朋を、熱気球で助けに行くところは、ありえないながらも熱い展開でした。熱気球は、そんな繊細な操舵はできなさそう・・・。熱気球といえば、世界一周しようとしてすぐ海で消息を絶った人がいたことを思い出します。だから余計すぐ落ちると思い込んじゃうのかも。ありえないと言えば、資金集めのオークションのあたりも、ちょっと苦しいかなあ。


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