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読書の記録です。

「ロードムービー」

辻村深月/講談社

誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用。それぞれの物語を、優しく包み込んで真正面から描いた珠玉の三編を収録。

「冷たい校舎の時は止まる」を読んだのはブログを始める前なので、5年前くらいになります。「子どもたちは夜と遊ぶ」の感想を見直した限りでは、くどいと感じていたようです。おお、いっちょ前に。笑。
その「冷たい~」のスピンオフ作品らしい、という前情報はありました。ありましたがっ!そんなに記憶力の良い読者などごくわずか!と思いたい。ええと、でも、特に問題なかったです。それはそれと思えば。
「ロードムービー」では、子どもの友情を。タカノのおじさんの家に、彼女がいた時のあのいたたまれなさが良くわかる。本当に、恥ずかしくって消えてしまいたい!「道の先」では、ひねた女子高生と塾のバイトくんの話。これが一番好きだなあ。そっと背中を押せる人ってすごいなあと思います。私、思春期はそのようなステキな大人になりたいと思っていたのですが、残念ながら、大人の私は、ろくなアドバイスができたためしがありません。むしろ、今どきの女子高生から恋のアドバイスをして欲しい。「雪の降る道」正直、泣きながら訴える子どもが苦手なもんで(人でなしみたいだなあ)、いい話なのは良くわかる。わかるけれども、うっとうしい・・・。という感じでした。「冷たい~」のプロローグに続くエピローグはわかりやすくて好きだ!
同じタイプの叙述トリックの多用はやめた方がいいって、思ってるんですけどね。登場人物の心情を描く手腕はあがってるけれど、最後の落としどころで、「またか・・・」とがっかりするのは、もったいない。
肝心のリンクがよくわからず、ネットで調べて「ふ~ん」と納得しましたが、いつかもう一回読もうと思いました。世の中にはたくさんの本があふれていて、しかもおもしろいから大変だ。一生かけても、本を読む時間が足りない。・・・とか言って、実はドラマを見る時間が増えたからなんだけど。


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