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読書の記録です。

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「西の善き魔女1 旅立ちの巻」

荻原規子/中央公論新社

大切なものを守れるのは自分しかいないんだ。母の形見の首飾りから始まった荒野の少女フィリエルの旅。

約6年ぶりくらいの再読。久しぶりにユーシス様に会いたくなって・・・。
セラフィールドで暮らす少女・フィリエルが、パーティーに母親の形見の首飾りをしていったことから、自分が実は女王家の血筋であることを知り、陰謀に巻き込まれてゆく・・・というシンデレラストーリー。再読してみて、世界観に関することがこんなに楽しめたなんて!という点に驚きました。女王家とか星図がどうからんでくるのか、エフェメリスってなんだっけ?博士って結局どうなったのかしら。(←全部忘れた)みたいなことが、徐々に明らかになっていくところがおもしろい。もちろん、少女マンガみたいな恋の話もそれなりに楽しめますが、ユーシス様があまりにも堅物すぎて物足りなくなってしまいました。ユーシス様、もうちょっとフィリエルに接近してくれまいか。どっきりイベントを起こしてくれないか。
グラールという国は、代々女性が治めることになっていて、現在はオーガスタ皇女の娘、アデイルとレアンドラ2人の女王候補が擁立されています。フィリエルは、父で天文学者のディー博士が姿を消し、博士の弟子で幼なじみのルーンが異端の研究(天文学)を狙う組織にさらわれた事件により、アデイルを擁立するロウランド家を頼ります。フィリエルは、オーガスタの姉妹であるエディリーンの娘なので、彼女たちとは従姉妹という関係。貴族の権力争いの駆け引きの駒として、利用されることを覚悟しつつも、上流階級の貴族たちの予想の斜め上を行くフィリエル嬢のたくましさに感心します。
女王家の血を持ちながら、女王家の人間ではないフィリエルが、自分はどう生きるのか、色々な人間の思惑に傷つきながらも模索していきます。今まで自分が何も知らなかったことにショックを受けながらも、とにかくフィリエルは前向き。そのしなやかな輝きが、物語全体からあふれているようです。
後半はトーラスの女学校編。レアンドラ登場!私、アデイルも好きなんですけど、レアンドラの方がより好きになったなあ。なんだかかっこいい。強い女性はここで養成されているのか・・・。グラールの女性は、昔のくの一みたいなもんですかね。色仕掛けあり、暗殺あり、みたいな感じで。
次は宮廷デビュー!


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