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読書の記録です。

「西の善き魔女2 戦いの巻」

荻原規子/中央公論新社

失ってはならない心の宝ものは、ここにある。姿を消した幼なじみを追って謎に満ちた冒険が始まる。

レアンドラの動きを受けて、フィリエルはアデイルと共にハイラグリオンの王宮に、ルーンはチェスマスターの見習いとして王立研究所へ。前半では、王宮のパーティ三昧で絢爛豪華な生活が描かれます。フィリエルは、今までで一番彼女らしくないかも。えー、続きを。彼女の素性を知るリイズ侯爵(女王の末子)に、策略のための結婚を迫られたフィリエルを守るため、ユーシスは、彼女に婚約を申し込むのです。しかし、彼女は婚約の話を蹴って、王宮を出てルーンとともに行くことを決心した矢先、リイズ候の死体が見つかり、ルーンは姿を消す。
いやー、当時はもうちょっとユーシス様にときめいていたのですが・・・。ここまで気の利かない男だったとは・・・。ちっ。残念すぎる男だ!生真面目なのは彼の美点なのですが・・・。今のユーシス様に必要なのは、情熱、パッション!ここで、ルーン×フィリエルとアデイル×ユーシスのカップリングが決定します。エヴァンジェリンは、こんなつまらないカップリングは書きませんわ!とアデイル風に不満を表明。
そして後半、フィリエルはルーンを探しに南を目指します。フィリエルの護衛として、トーラス女学校時代のイグレインが再登場。正直、政治的な駆け引きよりも、後半の世界の謎に迫る章の方が楽しめました。南には、竜と呼ばれるビジュアルは恐竜のような生物がいるのですが、見えない壁のようなもので仕切られていて、そこに不定期に現れる穴を通って南部に出現していることが判明。もひとつ、竜の一種としてユニコーンも登場します。ユニコーンを育てているのが、オーガスタ女王で、女王家とユニコーンとの関係というのもまた何か理由がありそうです。ルーンとは、無事再会を果たします。もう、こいつらはほっといて。笑。女王陛下の吟遊詩人(バード)が使った、テレポーテーション的能力は一体何なのか。今までファンタジー用語が飛び交っていたのに、突然、科学用語(分子とか)が飛び出して来たのはなぜなのか。壁とは何か・・・。最後に謎はたくさん投げかけられました。
次が本編最後。広げた風呂敷がたためていたっけなあ。


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