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読書の記録です。

「蜜蜂のデザート」

拓未司/宝島社

柴山幸太は、神戸でフレンチスタイルのビストロを営む料理人。店はいつも賑わっていたが、デザートの評判はいまいち。今度はデザートに力を入れようと、新感覚スイーツの開発を目指すが、そのために食中毒事件に巻き込まれることに…。

前作「禁断のパンダ」で衝撃的事件に巻き込まれたビストロ・コウタの続編。前回殺されかけた綾香さんは無事出産。1人息子にでれでれな様子・・・。幸せそうで良かったね、と・・・。前回奥さん殺されそうになったことを思えば、店が食中毒出すなんて、なんてことないような気がしますね!読者だけ超ポジティブ。
今回のテーマは食中毒ということで、故意に生クリームに菌を混入させる場面が出てくるのですが・・・。生クリームに傷口をつけて、膿をしぼり出すって、パソコンで打ってるだけでも寒気がする・・・。その後の嘔吐で苦しみ悶えるシーンも、不快感バツグンでした。グロい小説を書く方が、向いているのではー。もちろん登場人物の性格のエグさもなかなかのもので、千夏さんなんか、殺されても特に同情心もわかないという。パクリの柿田も最悪ですね。しかも、善良そうなおばあちゃんまで、あんなことにー。野生時代で連載していた「虹色の皿」は、フツーに爽やかな青春小説って感じだったので、この後路線変更されたのでしょうか・・・。
一方、料理の描写、今回は特にスイーツがとってもおいしそうで、ケーキを買ってきたくなりました。でも、近所のシャト〇ーゼでは、このようなケーキは売ってないのだなあ、残念ながら。ああ、都会がうらやましい。
犯人候補が何人か出てきて、推理は2転3転。殺人事件と食中毒の犯人は全く別で、まあその点は納得。動機は愛ゆえに・・・。で、なんだか、ほんわかと終わってますが・・・。私、納得いかんわー。好きな人のために、食中毒を起こす女、どうよ?好きな人のために、家でエンテロトキシンを飲む女、どうよ?・・・恐いって!愛が重い!・・・なんだろうな、これが私に足りないところでしょうかね・・・。


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