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読書の記録です。

「サマー/タイム/トラベラー」

新城カズマ/早川書房

あの夏、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ。ぼくら高校生5人組は、「時空間跳躍少女開発プロジェクト」を開始する。けれど、それが悠有と過ごす最後の夏になろうとは、ぼくには知るよしもなかった。

新城カズマさんの作品は、ドラゴンマガジン購読時代に「狗狼伝承」と「浪漫探偵・朱月宵三郎」を読んだことがありますー。残念ながらどちらもイマイチでした・・・。で、たまたま図書館で見かけて思い出したので借りてみた次第。SFも久しぶり。
タイムトラベル青春小説な感じでした。ちょうど季節も夏だし。
タイムトラベルは、やっぱり時空間をねじまげるわけですから、やっぱり色々矛盾があるような気がしてならないんだよなー。
主人公のぼくが、とってもかわいくない。笑。自分がいい歳になってしまったせいか、世の中を俯瞰して見ているつもりでも、所詮は子供か・・・とイラついてしまいます。おっと、大人気ない。反面、悠有は天然でおもしろい子でした。これを読んでふと思い返すと、幼なじみって体の関係を持ってるパターンが結構あるような・・・。そんなもんなのかなあ。もっと、ピュアであって欲しいんですけど・・・。
全体的な構成が、ぼくの回想という形でして、最初にどどんと悠有が未来へ行ってしまうという結論を提示しています。他にも、この時こうしていれば、ああしていれば良かった・・・というモノローグが満載なのですが、「たられば」は個人的にスキじゃないもんで。連発は避けて欲しかったな。どんだけ女々しいんだ主人公。
正直ついていけないぜ!ってところもありましたが、色々な可能性を考察しているところがおもしろかった。特に、タイムトラベルの研究と称して小説を読み漁るのですが、作品が「タイム・リープ」と「時をかける少女」くらいしかわからないという私・・・!読書不足で恥ずかしい!それをもとに、タイムトラベルを分類しているのが面白かった。そんなの考えたことなかったなあ。最後には放火魔の犯人を暴いたり、プロジェクトの仲間の秘密も明らかになったりするので、ミステリーの要素もありかな、という印象です。1巻がのんびりしているだけに、2巻の盛り上がりはすごいぜよ!(この口調が最近マイブイーム)
たまにはSFを読むのもいいねえ。


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