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読書の記録です。

「真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ」

大沼紀子/ポプラ社

都会の片隅に真夜中にだけ開く不思議なパン屋さんがあった。オーナーの暮林、パン職人の弘基、居候女子高生の希実は、可愛いお客様による焼きたてパン万引事件に端を発した、失綜騒動へと巻き込まれていく。

ドラマを見てたんですが、途中からおもしろくなくなって惰性で見てたな・・・。
とりあえず、1巻ではメインキャストの紹介という感じ?23時に開店するパン屋・ブランジェリークレバヤシは、オーナーの暮林とブランジェの弘基の二人で切り盛りしている。そこに、暮林の亡き妻・美和子の腹違いの妹だという希実が現れる。灯りに引き寄せられるように、問題を抱えた人々がブランジェリークレバヤシを訪れる・・・。という人情モノです。
万引き(本人は万引きだと思っていない)をしようとした小学生・こだま、自宅の望遠鏡で人間観察をするのが趣味の脚本家・斑目、おいしいパンといいオトコに目がないニューハーフ・ソフィア。3人とも今後の物語に大きく関わってくる人々です。メインはこだまのお母さんの失踪事件ですかね。
希実のお母さんもひどいけど、こだまのお母さんも結構ひどい。事情があったとしてもねえ・・・。しょうがないよね、と許す気分にはなれないですねー。だから、これはめでたしめでたしなのかな?と疑問に感じてしまいました。
ドラマ版の希実はあんまり好きじゃなかったんですが、小説の希実は結構好きでした。世の中の汚い側面をたくさん見てきたけど、極端に荒れもせず、世の中を冷めた目で見てるばっかりでもなく。ちゃんとこだまの世話を焼いてあげて、斑目氏を変態呼ばわりしつつも、気にかけて。パン屋の手伝いもして、だんだんとブランジェリークレバヤシに馴染んでいって・・・と、いい子なんです・・・!この先、母親が出てくるはずなので、ひどいことにならなければいいなあと思います。
もっとコンパクトにまとまる話かな?と思うし、そこまでおもしろい話ではないです。しかし、真夜中に開店するパン屋さん、というコンセプトが好きなので、このシリーズは続きを読んでみようと思いました。


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