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読書の記録です。

「どすこい(安)」

京極夏彦/講談社

「地響きがする―と思って戴きたい。」という書き出しから始まるベストセラー小説をベースにした7編の短編集。いざ、めくるめくお相撲さんワールドへ!

オススメされた時は、ちょうど「姑獲鳥の夏」でダウンした時だったので、いくら「馬鹿でおもしろいよ~。」と言われても、「絶対ギブするからやめておこう。」と心に誓った一冊。京極堂克服記念に読んでみると、これがおもしろい!本当に馬鹿!笑。何でもっと早く読んでおかなかったのか・・・。こんなユーモラスな一面もお持ちなのですねえ。編集者女性の凶暴っぷりも素敵。
えー、実は元ネタは、“すべてがFになる”(森博嗣)と“理由”(宮部みゆき)しか読んだことがないのですが、この2つに限って言えば、ちゃんと小説の形式を踏襲しています。していますが、全くの別物。しかし、不思議と不快感はなくパロディへの消化の仕方が上手だと思います。表紙が・・・!あおり文句が・・・。うまいです。笑。7つの短編はリンクしていて、最後は少し倒錯した感覚を残しつつ、ちゃんとオチがついています。
私、相撲はあまり好きではないのです。昔、何かの番組で、引退後の小錦が石膏で体の型を取っていたのです。その時の、小錦さんの裸体のインパクトが今なおトラウマとして残っているためだと思われます。
こんな私も楽しめましたので、お相撲さんが好きな方はもちろん嫌いな方も、「京極さんのは、読みにくそう・・・。」と思っておられる方もぜひぜひご一読を~。

“姑獲鳥の夏”→“スズメの夏”とご自分の作品もパロッておられました。
怪奇なイメージが、一気に日本昔話の雰囲気に。


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