忍者ブログ
読書の記録です。

「最後に咲く花」

片山恭一/小学館

投資ファンド会社に勤める永江は、大学時代の同窓生と再会する。彼女の体は病に侵されており、残された時間はわずかだった。

生きるということ、そして生命についての哲学もありますが、全体的にうすっぺらいのですよ。私は株取り引きとは空虚なものだと思っていますので(人のお金云々は関係なく、投資自体が)余計そう感じたのかも。
難しい事を書いてますが、要するに二股をかけていて、最終的に心の平穏を得られる病床の彼女を取りました、っていう話。短編の方が良かった。片山さんは、短編はわりと好みなのですが長編はいまいち・・・。シンプルな文章なので、構成ももっと無駄なものをそぎ落とした方が、きれいなのではないかと思うのです。
題材として、アメリカのテロ事件を持ってきたのは良くない。デリケートな扱いを必要とする事件は、必然性が無い限りそのものを使うべきではないと思う。
振られた彼女が一番かわいそうだった。何をしたわけでもないのに・・・。


PR