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読書の記録です。

「新リア王」

高村薫/新潮社

近代日本の「終わりの始まり」が露見した永田町と、周回遅れで核がらみの地域振興に手を出した青森。政治一家・福澤王国の内部で起こった造反劇は、雪降りしきる最果ての庵で、父から息子へと静かに、しかし決然と語り出される。

最近本の更新がいつにも増して少ない一因でございます。
実は“晴子情歌”を読了後、すぐに読み始めたのですが、あまりの難解さにつまずきまくりで、息抜きのつもりが3冊も間に挟んでしまいました。仏教パートはまだ読めたのですが、政治パート(ほぼこちらがメイン)はきつかった・・・。地方政治、東北、原発。政治に得意分野なんてないけど、この話は特にさっぱりわかんないや。アホ丸出しの感想になりますので、政治についてはノーコメントで!と逃げさせていただきます。
さて、手紙という媒体を介していた前作と違い、今作では父と子が対話するスタイルで語られています。漁船員だった彰之が仏道の世界に入ってからの話。ますます世間離れしています。というか、親子でこんな真面目な話をするということがありえない。窒息死しちゃうヨー。やはりお家柄でしょうか・・・。
あとは、やっぱり人に対する執着が理解できない。ううむ。
後半、変死だったり、あの刑事さんが登場したりで、ミステリ心をくすぐられましたが、次がミステリーということはまずありえないだろう、と思います。ロマンチックにまとめた最後には少し不満が残ります。
次は読みやすいといいな・・・。

ところで、表紙を見て「ダヴィンチ・コード読んでるん?」と聞かれたのですが、どう見てもこれはモナ・リザではありません。果たしてモナ・リザに失礼なのか、おじいさんに失礼なのか・・・。
それ以前に、私がそんな話題の本を読んでいるという事自体がありえない。


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