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読書の記録です。

「秋田禎信BOX1 魔術師オーフェンはぐれ旅」

秋田禎信/TOブックス

女神との死闘から1年後の物語“キエサルヒマの終端”、20年後の新大陸を舞台にした“約束の地で”、“魔王の娘の師匠”の3篇が収録。

これを読むために、魔術師オーフェンシリーズをまとめ読みした時期がありました。その後この本も読了。しかし、感想を書く気力が湧かず、内容を忘れました。そして、またブログに戻ってきたときに、感想を書くため再読。しかし、またブログから離れ、また少しして戻ってきました。・・・今度こそ、書こう・・・。
意外にもオーフェン関係の検索で、当ブログに辿り着かれる方がいらっしゃることに驚いています。続編も出ているし、まだまだオーフェン人気は健在ですね!続編はまだ積んである状態で、終結するまで読まないかもしれません。
そういえば、このBOX、気合いを入れて予約までして買ったのに、その何ヶ月かあとに本屋に余ったのが積んであるのを見たときは、悲しかった・・・。しかもしばらく売れ残ってた。さらに、一般に本として出版されちゃうし。あの衝撃をなんと表現すればいいのか。限定ちゃうんか!
・・・クールダウン。
「キエサルヒマの終端」クリーオウが主人公です。オーフェンと別れた彼女は、当然、オーフェンを追いかけます。これぞクリーオウ!コルゴンが連れなので、どうしてもシリアス向きですが、この前進しようというパワーが彼女の魅力。一方、魔王として四面楚歌状態のオーフェンは、キエサルヒマ大陸を去り、新大陸への移住計画を進めていた。世界図塔を起動させたりなんやかんやしている時に、魔王スウェーデンボリーの力がオーフェンに移っていたということ?らしいです。最後は、オーフェンの船にクリーオウが追いついて、めでたし。クリーオウがたくましくなって、本当に良かった!ショートカットもお似合いです。
「約束の地で」あれから月日は流れ、20年後。キエサルヒマ大陸<牙の塔>から、マヨールとベイジット(レティシャとフォルテの長男・長女)が新大陸の<スウェーデンボリー魔術学校>を見学に訪れる。<スウェーデンボリー魔術学校>の校長・オーフェン・フィランディ(フィランディはクリーオウの姓)と彼の娘(上からラッツベイン・エッジ・ラチェット)たちの歓迎(?)を受けるが、新大陸は独自の発展を遂げていた・・・。オーフェンの世界がさらに広がったこの話。続編へのイントロかなと思い、マジメに読んだつもりなんですが・・・。もう最後のスウェーデンボリー登場のあたりは???でした。続編に手がのびないのは、この???が原因かなーと思います。なんだか、みんなエラくなりましたなあ。
「魔王の娘の師匠」これはマジクの話。マジクがいい感じでくたびれていて、和みます。(以下棒読み→)新大陸(住民にとっては“原大陸”)では、かつてキエサルヒマ大陸(住民にとっては“キエサルヒマ島”)で起こった女神との戦いのような戦闘が何度か起きているようです。神人と呼ばれる彼らには、普通の魔術は通用せず、魔王術でなければ倒せないようです。また、魔王術は誰にでも扱えるものではないようです。(←ここまで)ええと、敵が強くなったけど、オーフェンとマジクの魔王術で対抗できます、みたいなことが書いてあるのだろうか?と思った。マジクにはこのまま独身昼行灯を貫いて欲しいですね!確かにラッツベイン(殺鼠剤)ってひどい名前(笑)。
オーフェンに出会ってから1〇年、いつの間にか彼らの年齢を追い越していました。また追い抜いてもらえたと思ったのもつかの間、もうすぐマジクの年齢に追いつきそうです。これだから時の流れってヤツは・・・(遠い目)。


「きっと色んなことが変わっていく」

「わたしだけじゃなく、みんな」


 
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お正月のスペシャルドラマ

お正月は、ミステリー系のスペシャルドラマが目白押し!でした。

「新参者 眠りの森」
加賀刑事は阿部寛じゃなーいと言いながらも見てしまう新参者シリーズ。
トリック云々というより、話自体がまあまあおもしろかったと思う。
バレエの練習をされた俳優さんなのか、ダンサーの方が演じていらっしゃるのか、素人には良くわからないほどバレエのシーンがすごかった。もし、みなさんが前者であればものすごいことだと思う。
石原さとみがキレイになっててびっくり!いい女優さんになったなあ。
木南晴夏さん、どこかで見たことあると思ったら、「20世紀少年」の小泉響子役の女優さんかー。スッキリ。

「鍵のかかった部屋」
ぶつ切りのテンポが好きになれないこのドラマ。せっかくかっこいい曲を使っているのに!
原作を読んでから、榎本にもっと人間味を持たせたほうがいいのでは・・・と思うようになった。なんだかドラマの榎本はロボットみたいでミステリアスというより不気味。
ドラマオリジナルの芹沢(佐藤浩一)でもっていると言っても過言ではない。
藤木直人が若返って見えた。照明が暗かったせいかしら・・・。(ひどい)
密室の謎解き3連続で、しかもリンクしていて飽きない展開でした。
戸田恵梨香はSPECの時が一番生き生きしてるように見える。

「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件」
最も問題作だったのがコレ。
原作は未読です。
そもそも、なぜ塾の合宿がマレーシアなのか?という疑問から始まり、地獄の傀儡子は、特殊メイクをするぐらいなら人前にでなきゃいいのに・・・。寂しがりや?とか、合宿の参加人数少なすぎない?先生の引率たった4人かよ(しかも2人は塾の先生ではない)!刑事が数学の授業って・・・っていうか、授業の半分を素人が担当する合宿なんて意味ないんじゃ・・・、マレーシアの山奥で夜の散歩(絶句)・・・、そば茶のペットボトルどこで調達してきたの?など、冒頭からどんどんつっこみどころが出てきますが、すべて目をつぶりましょう。それが、このドラマ「金田一少年の事件簿」だからです。「見よ!この力技!」というスタッフの声が聞こえてくるようです・・・。
今回は、6人もの人間が殺されます。
ひとりきりになる→背後から忍び寄る影→ブスッ(毒薬注射)
4人がこのコンボで殺されます。あとの2人も、毒薬を注射されたことにより殺害されます。
しかも一気に死体が発見されて、何が何やら。笑。
殺人の扱いが雑すぎる・・・!
マザーグースとか言ってないで、被害者をたくさん出すのであれば、もうちょっとここの演出を丁寧にやって欲しかったなー。大体、クックロビンクックロビン聞かされたら・・・「だーれがこーろしたクックロッビンッ」・・・パタリロの幻が何度見えたことか・・・!
強引な展開で攻めてきたこのシリーズも、これだけの人数を全員同じ手口で殺害することはなかったと思うのですが・・・。(あったらすいません。)
建物とか河の関係でマレーシアってことかな?(まさか、高遠がマレーシアに行きたかっただけ?)
山田涼介くんのはじめちゃんは、前作ではありえない!って感じでしたけど、今回は前よりは役にはまってました。振り返れば、亀梨くんが一番ありえない配役でしたね。笑。

「大きな音が聞こえるか」

坂木司/角川書店

八田泳、高校一年生。そこそこ裕福でいわゆる幸せな家庭の息子。唯一の趣味はサーフィン。凪のように平坦な生活に自分を持て余している。だがそんな矢先、泳は叔父がブラジル奥地へ行くと知らされた。さらにアマゾン川の逆流現象(ポロロッカ)で波に乗れるという情報を聞いて・・・。小さな一滴が大きな波紋を生んでいく、等身大の成長物語。

耳が聞こえないサーファーの話だと思ってたら、全然違う話でした。あらすじを何かで読んだはずなんだけど、覚え間違いしてたみたい・・・。
高校生が主人公のお話は、最近も読んでいます。
「桐島、部活辞めるってよ(朝井リョウ)」「オーダーメイド殺人クラブ(辻村深月)」。あの、狭い教室が全ての世界だったころ。痛々しくて苦しくて早くここを抜けだしたいと思っていた、あのころ。2冊とも、若者の閉塞感を描きながらも、最後にはきらりと光るものが見えた良作でした。
で、この本がどうだったかというと、主人公の泳くんに全く共感できないまま終わりました。500ページを超えるボリュームも、バイト~アマゾンというボリュームを考えると致し方ないのですが、長かった・・・。疲れた・・・。泳くんは、確かにつまらない日常に閉塞感を感じていたかもしれないけど、それは、つまんないよーつまんないよーって子供が駄々をこねているだけで(あ、子供か)、何かもっと心の暗部に踏み込むものが欲しかった。
泳くんがどう成長しようが、どうでも良かったんですが(ひどいけど、この人全てが上手くいきすぎでしょ。笑。)、まわりの大人たちが魅力的だったと思います。ヴィンチ号の乗り組み員とか。泳くんのお父さんが一番すごいと思うんだけどなあ。お父さんのすごさに気付いたときが、彼が大人になったときかもしれないですね。彼は海外と日本を比べて、日本をすごく小さく思ったかもしれないけど、それは文化の違いで、日常が違うだけ。どこがどこに劣っているというわけじゃないってことに気付いていたらいいんですけど。日常を普通に生きるということが、実は一番大変なんじゃないかと思う今日このごろです。
現地の女の子との、一夜限りの関係を美化しすぎているのはどうかと思う。神聖だ、素晴らしいと言ってみたところで、結局はただの遊び。・・・古いかな?いやいや、もし自分に子供がいたら、絶対にはりとばしてる。


「It’s natural.」

「So,adult is full of pleasure.」


「ケルベロスの肖像」

海堂尊/宝島社

「東城大学病院を破壊する」。送られてきた一通の脅迫状。田口&白鳥は病院を守ることができるのか。エーアイセンター設立の日、何かが起きる。メディカル・エンターテインメント・シリーズ、いよいよフィナーレへ。

最近海堂さんの作品はごぶさただったのですが、このシリーズだけは最後まで読んでおこうと思い、根性で読みきりました。私にとっては、根性を使わねばならないほど、退屈でした。
もともとは「チーム・バチスタの栄光」から始まったこのシリーズ。個性的な登場人物が次々登場し、物語はこのシリーズだけではとどまらず、スピンオフのラッシュでした。いちいち追いかけていたらキリが無いので、私が読んだのは「螺鈿迷宮」だけでしたが・・・。いいんですよ、スピンオフ。ファンの人は嬉しいだろうし。
しかし、シリーズ最後にきて、スピンオフを読んでいないとワケワカメみたいな展開にしちゃダメよ!私、かろうじて「螺鈿迷宮」は読んだことあったから知ってたけど、それ以外にも誰?っていう人いたし。いや、海堂ファンにとってスピンオフ制覇は当たり前?読んでないヤツは最終巻を読む価値もなし?とちょっと考えてしまった。
また、話の構成が、会議と(ちょっとカッコつけた)会話で終わっていたので、動きが少なかったですね。田口先生が戦車に乗ってもたいしておもしろくないし。最後の最後で派手にやらかしてましたが、これも「もったいない・・・」という感想で終わったという。笑。
一番意外だったのは、東城大学医学部付属病院の行末かな。
白鳥の出番をもうちょっと増やしてあげれば良かったのに。
一貫してAIでしたね。業界人以外には、結構どうでもいい問題です。どうしようもないし。「チーム・バチスタの栄光」が面白かったので、今度こそはと期待して読んできましたが、どうも最後まで振り回されてしまった感じです。最後が良ければチャラになったかもしれないけど・・・。


賀正

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

なかなか、読了からアップまでのタイムラグを乗り越えることができません・・・。
去年は91冊と良いペースで読めました。
今年も色んな本との出会いを楽しみに、図書館と本屋に通います!