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読書の記録です。

「西の善き魔女4 星の詩の巻」

萩原規子/中央公論新社

神話でなく現実を―私の力でつかんでみせる。変革と成長の物語。書き下ろし外伝「真昼の星迷走」収録。

最終巻!外伝「銀の鳥 プラチナの鳥」と「真昼の星迷走」を収録。
「銀の鳥~」では、フィリエル達がカグウェルに向かってから、アデイルがユニコーンに乗って現れるまでのアデイルサイドの物語。ブリギオン帝国の軍隊が、トルバートへ侵攻しているという噂を聞き、アデイルは和平のために砂漠の国・トルバートヘ向かう。結局ブリギオン帝国の偽の情報に踊らされて、命を狙われたりしてさあ大変。実は亡国の王子?の猫っぽい男子・ティガはなかなかにいい男になるだろな~。ユーシス様がいなかったら・・・と思うほど少女マンガ的カップル。ユーシス様、全編通して出番少ないっすねー。堅物だからかなー。まあ、デレデレなユーシス様が出てきても、それはそれでガッカリなので、このくらいでいいのかなあ。
「真昼の星迷走」は、真の完結編。本編のその後のお話です。フィーリが、フィリエルを第3の女王候補と認めないので、フィーリを出し抜くためフィリエルとルーンに試練が・・・!バード、ただ者ではないと思っていましたが、ここまで人ではないとは!現在のバードは、フィーリの監視下?にあるため、新しいデータに書き換える必要があるそうなんですが、この作業が一回死んで生まれ変わるというもの。そして、バードの赤ん坊をフィリエルが育てることになります。この赤ん坊にフィリエルが振り回されるのが、大変そうだなーと。子育てってたいへーん・・・。このあたりから、物語はSFに!半分何がなんだかわかってないのさ。一方、ルーンはレアンドラの誘惑に打ち勝つのが試練・・・っていうのはウソとして。レアンドラのお悩みも明らかになります。男の人たちに追っかけられているのは、ある意味彼女らしいなあ。
結局、決着が着いたのは、女王候補の件のみ。世界にはまだまだ問題が山積みで、何一つ解決はされていません。フィリエルが正式な女王候補として認められたからといって、問題が解決すると約束されたわけではなし。そこが不満かなあ。ラブパワーですべて解決か!?


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「蜜蜂のデザート」

拓未司/宝島社

柴山幸太は、神戸でフレンチスタイルのビストロを営む料理人。店はいつも賑わっていたが、デザートの評判はいまいち。今度はデザートに力を入れようと、新感覚スイーツの開発を目指すが、そのために食中毒事件に巻き込まれることに…。

前作「禁断のパンダ」で衝撃的事件に巻き込まれたビストロ・コウタの続編。前回殺されかけた綾香さんは無事出産。1人息子にでれでれな様子・・・。幸せそうで良かったね、と・・・。前回奥さん殺されそうになったことを思えば、店が食中毒出すなんて、なんてことないような気がしますね!読者だけ超ポジティブ。
今回のテーマは食中毒ということで、故意に生クリームに菌を混入させる場面が出てくるのですが・・・。生クリームに傷口をつけて、膿をしぼり出すって、パソコンで打ってるだけでも寒気がする・・・。その後の嘔吐で苦しみ悶えるシーンも、不快感バツグンでした。グロい小説を書く方が、向いているのではー。もちろん登場人物の性格のエグさもなかなかのもので、千夏さんなんか、殺されても特に同情心もわかないという。パクリの柿田も最悪ですね。しかも、善良そうなおばあちゃんまで、あんなことにー。野生時代で連載していた「虹色の皿」は、フツーに爽やかな青春小説って感じだったので、この後路線変更されたのでしょうか・・・。
一方、料理の描写、今回は特にスイーツがとってもおいしそうで、ケーキを買ってきたくなりました。でも、近所のシャト〇ーゼでは、このようなケーキは売ってないのだなあ、残念ながら。ああ、都会がうらやましい。
犯人候補が何人か出てきて、推理は2転3転。殺人事件と食中毒の犯人は全く別で、まあその点は納得。動機は愛ゆえに・・・。で、なんだか、ほんわかと終わってますが・・・。私、納得いかんわー。好きな人のために、食中毒を起こす女、どうよ?好きな人のために、家でエンテロトキシンを飲む女、どうよ?・・・恐いって!愛が重い!・・・なんだろうな、これが私に足りないところでしょうかね・・・。


「西の善き魔女3 世界の扉の巻」

萩原規子/中央公論新社

ここからなにもかもが始まった。世界の果ての「壁」を抜け新しい運命を探しに。

本編の最終巻と、外伝その1が収録されています。
外伝は、ルーンがセラフィールドに来て、フィリエルと出会うお話です。
まず、本編の最終話「闇の左手」。無事にルーンと再会して、ヘルメス党に身を寄せるフィリエル。しかし、ブリギオン帝国の軍隊と壁の近くで遭遇することになる。トルバート経由での進軍は、フェイントだったのだ!ルーンは竜退治でカグウェルに滞在しているユーシスに知らせに。またまたフィリエルはルーンと離れ離れ。あんなに離れないと言っておきながら・・・って思ったもんですが、ユーシスに「フィリエルはぼくがもらう」と宣言するあたりはときめきました。きゅん!一方フィリエルは、やっぱり自由に生きてます。笑。時々、周りの人間がかわいそうになるくらい。まあ、その型破りっぷりが主人公が主人公たる所以なわけで・・・。
ユーシス様は本当に真面目!な感じで最後まで通しました。アデイルとの進展は・・・、フィリエルとルーンよりもさらに遅そうですなー。笑。ってか、アデイルは自分の気持ちに気づいた!のですが、ユーシス様は、まだ騎士道から抜け出てないからにゃー。なんとなく、ユーシス様はああ言っても、フィリエルのことを好きなのではないかしら・・・と思うのです。メニエールの陰謀は阻止しましたが、結局のところ女王候補が1人増えただけで終わったような・・・。真の終幕は4巻にあるので、続きはそちらで!
外伝はー。フィリエルの幼少期は複雑な家庭環境だったんだなーとしみじみ。フィリエルがこんなにのびのび育ったのは、おかみさんのおかげではないでしょうか・・・。おかみさん株急上昇。


「我が戦場に踊れ来訪者」

秋田禎信/富士見書房

未だ行方がわからない、アザリーの手がかりを求めて、オーフェン一行はウィノナと共に最接近領の領主の元へ向かう。同時に、ティッシと十三使徒の一員・イールギットたちの2組も、領主の元へ向かっていた。

オーフェンの感想が滞っております。しかも、記憶が無い・・・。
この辺も理解があやふや~なのですが、要するに地人たちも銀月姫もゴーストだったと。ゴーストはネットワークの暴走で、誰かに故意に仕組まれたものだったと。領主がオーフェンを自分の陣営に取り込むために仕組んだことなのかな?一貫して背景には、ドラゴン種族と人間との戦いがある。銀月姫のタラコ唇に萌える・・・!
マジクが鬱に入っていても、またかあって感じであんまり気にならないもんですね。笑。悩み多き青少年ですから、彼もオーフェンも。逆に、クリーオウが思い悩む姿ってあんまり見たくないなあと思います。ムードメーカーってのもありますけど、なんか痛々しいです・・・。
ダミアンのお腹はまっ黒~。悪いところを前面に押し出してきてますね。なんてマイナスのイメチェンだ!イールギットをすごく覚えていて、なぜかというと、次の巻での彼女がとても残酷な終わり方をしているからなんだけど。ああ、ショックだったんだなーということを思いだした。オーフェンの周りの女性って、やっぱり強いな・・・。ロッテーシャはいつまでからんでくるんだろ?ウィノナも。
クリーオウとマジクって、人質になってばかりで不憫・・・。マジク、天才なのに・・・。


「面倒事は面倒ですぞ。だってかなり面倒くさいですからな」
姫の軍隊には、なごませていただきました。


「西の善き魔女2 戦いの巻」

荻原規子/中央公論新社

失ってはならない心の宝ものは、ここにある。姿を消した幼なじみを追って謎に満ちた冒険が始まる。

レアンドラの動きを受けて、フィリエルはアデイルと共にハイラグリオンの王宮に、ルーンはチェスマスターの見習いとして王立研究所へ。前半では、王宮のパーティ三昧で絢爛豪華な生活が描かれます。フィリエルは、今までで一番彼女らしくないかも。えー、続きを。彼女の素性を知るリイズ侯爵(女王の末子)に、策略のための結婚を迫られたフィリエルを守るため、ユーシスは、彼女に婚約を申し込むのです。しかし、彼女は婚約の話を蹴って、王宮を出てルーンとともに行くことを決心した矢先、リイズ候の死体が見つかり、ルーンは姿を消す。
いやー、当時はもうちょっとユーシス様にときめいていたのですが・・・。ここまで気の利かない男だったとは・・・。ちっ。残念すぎる男だ!生真面目なのは彼の美点なのですが・・・。今のユーシス様に必要なのは、情熱、パッション!ここで、ルーン×フィリエルとアデイル×ユーシスのカップリングが決定します。エヴァンジェリンは、こんなつまらないカップリングは書きませんわ!とアデイル風に不満を表明。
そして後半、フィリエルはルーンを探しに南を目指します。フィリエルの護衛として、トーラス女学校時代のイグレインが再登場。正直、政治的な駆け引きよりも、後半の世界の謎に迫る章の方が楽しめました。南には、竜と呼ばれるビジュアルは恐竜のような生物がいるのですが、見えない壁のようなもので仕切られていて、そこに不定期に現れる穴を通って南部に出現していることが判明。もひとつ、竜の一種としてユニコーンも登場します。ユニコーンを育てているのが、オーガスタ女王で、女王家とユニコーンとの関係というのもまた何か理由がありそうです。ルーンとは、無事再会を果たします。もう、こいつらはほっといて。笑。女王陛下の吟遊詩人(バード)が使った、テレポーテーション的能力は一体何なのか。今までファンタジー用語が飛び交っていたのに、突然、科学用語(分子とか)が飛び出して来たのはなぜなのか。壁とは何か・・・。最後に謎はたくさん投げかけられました。
次が本編最後。広げた風呂敷がたためていたっけなあ。