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読書の記録です。

「εに誓って」

森博嗣/講談社

山吹早月と加部谷恵美が乗車していた東京発中部国際空港行きの高速バスがジャックされた。犯人グループは、都市部に爆弾を仕掛けたという声明を出す。乗客名簿には≪εに誓って≫という名前の謎の団体客が載っていた。

前作に比べて、格段におもしろかったです!
連作としてのポジションがはっきりしていたのが、良かった。今までの事件も、いわゆる実験だった、と言われれば納得できるような気がします。背後に、大きな意思があるってことなんだろうな。
お騒がせ娘・加部谷さんと山吹君が主役でしたが、全然色っぽくならないのが、彼ららしくてとてもいい。そして、萌絵さんがどんどん出てきます。犀川先生を引っ張って、一緒に主役の座を奪いそうな勢いです。さすがの存在感なのですが、少し抑えてもらいたい。クラゲ君は、ほんま地味なポジションでしたね・・・。でも、一言一言が鋭くて好きだなー。
そして、今作はトリックも良かった!森さんと言えば、密室、建物トリックが主流なのですが、こちらもなかなかですよ。短編で、同じようなものがあった気がするのですが、どうだったっかな・・・。
真賀田博士は一体何をしようとしているんだろう?彼女が出てきた(ようなシーン)だけで、文章が研ぎ澄まされます。人心を掌握すると言えば、独裁者みたいですが、そんな小さいことはしないだろうしなあ。続きが気になってきました。S&Mシリーズもそろそろ読み返さないとー。実は最終巻未読です。いや、あの厚さにびっくりしちゃって・・・。


「知るという行為は、情報を自分のものにする。それは明らかに、ある種の支配です。」


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