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読書の記録です。

「インビジブルレイン」

誉田哲也/光文社

姫川玲子が新しく捜査本部に加わることになったのは、ひとりのチンピラの惨殺事件。被害者が指定暴力団の下部組織構成員だったことから、組同士の抗争が疑われたが、決定的な証拠が出ず、捜査は膠着状態に。そんななか、玲子たちは、上層部から奇妙な指示を受ける。捜査線上に「柳井健斗」という名前が浮かんでも、決して追及してはならない、というのだが・・・。

映画であらすじは知っていましたが、多少違いがあります。いつもは原作イチオシな私ですが、今回は、映画と原作の両方を観る・読むことをオススメします。
一番の理由は、原作の菊田ほったらかし事件。笑。これまで、くっつくのか、くっつかないのかーとウロウロしていた玲子と菊田の関係が、小説では全く無視される形で牧田と玲子は恋に落ちます。菊田には少し後ろめたさを感じているようですが・・・。菊田が何を感じたのか、玲子は菊田と牧田の間で揺れていたのか?よくわからないまま終わります。これが、映画では玲子は牧田と一線を越えた関係になり、それを感じ取った菊田は、玲子への気持ちをあきらめ、また玲子も菊田と自分は違う世界の人間だと思い、別の道を歩むことにした・・・という心情描写があるので、一応納得がいくかなと思います。玲子と牧田が男女の関係になるのは、どうかな・・・と思いましたけど。
また、小説だけでは、玲子が牧田にそこまで惚れこむポイントがわからないです。刑事とヤクザ(さらに殺人の容疑者)との禁断の恋とわかっているなら、ストッパーがきくはず・・・。これが、映画では大沢たかおさんが演じる牧田が、べらぼうにカッコいいのです!実は私、大沢たかおさんはそんなに好みではないのですが、この牧田はカッコ良かったなー。玲子が惚れちゃうのも無理ないかなー、と思います。これは、かなり個人の趣向によるかな。
っていう、牧田と玲子の恋愛関係に気をとられて、本筋の事件はおざなりでした。私、近親相姦がダメなんで、読んでて気持ち悪かったしー。しかも、最後の方は犯人が女装してたやら、手下がバイセクシャルだわ、一体なんなんだ(笑)。
菊田との関係については、次の「ブルーマーダー」で何かしらのフォローがあるのかもしれませんが・・・。


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