「ゾラ・一撃・さようなら」
孤独で気ままな探偵・頸城(くびき)の元に、タレントの法輪から「天使の演習」という芸術品を取り戻してほしい、という依頼が持ち込まれる。頸城は、「天使の演習」の在り処と、法輪の周囲に起きる不穏な事件の真相を探り、ゾラの殺人予告に立ち向かう。
ハードボイルド!
題名から、さっぱり内容を予測できなかったため、先入観というものを持たずに読んだにも関わらず、あんまりおもしろくなかったよう・・・。大人な雰囲気が全編に流れていて、登場人物がみんなスカしているというか。あんまり、好感が持てなかったなあ。ジョークの半分もおもしろいと思えなかった。いや、あれは楽しませる目的ではないのかもしれない。森作品には珍しく、登場人物のインパクトが小さかったんですよねー。もう、美人だけでは物足りないようです。笑。
本を執筆するフリをする、という嘘が、いつばれるのか、というところが気になるところでしたが、ばれませんでしたね。私は、この嘘がいつばれるのか、という心配が苦手なのです。要するに気が小さいんです・・・。
後半、一気に急展開。法輪を狙撃したのは誰なのか?一体どうやって?「天使の演習」は誰の手に渡ったのか?という謎が提示されます。残りページで解決できるのか?と思ったものですが、(推測の域は出ないけれども)ちゃんと解答は提示され、きれいにまとまっていました。しかし、ゾラが法輪と吉田を狙撃するに至った経緯、心情?みたいなものが無く、なんで今頃殺そうと思ったのかしら、という疑問はあります。
最後がまたハードボイルド風味だ・・・。彼女からの連絡を待っていたなんて、頸城くんも、かわいいところがあるじゃないか。
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