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読書の記録です。

「本格ミステリ07」

本格ミステリ作家クラブ編/講談社

今回は既読の作品が石持さんの「未来へ踏み出す足」一作でした。世の中、いろんなミステリが発表されているのだなあ、と感心します。
さてさて、簡単な感想を。
「熊王ジャック」(柳広司)は、殺人を熊の仕業に偽装するが・・・という話。前半の雰囲気のほうが印象に残っていて、肝心の思い出話はインパクトが無かったなー。結局、トリックは覚えているが犯人が思い出せない私。「裁判員法廷二〇〇九」(芦辺拓)は、裁判員制度が始まっている時代を想定して書かれた法廷モノ。映画のくだりは、ちょっと出来すぎかなあという気はしたけど、アリバイを崩す瞬間はやはりぞくぞくします。「願かけて」(泡坂妻夫)、お、覚えてない・・・。なんだ、一日一善というフレーズがあったような・・・?「想夫恋」(北村薫)。北村さんの作品を読むのは、実に5年ぶりくらいなのだけど、やはり甘い味付けを忘れない人なのだな、と思った。おそらくお人柄によるものなのだろうと思う。「福家警部補の災難」(大倉崇裕)。これは、次の単行本に収録される予定なのかしら?福家警部補モエ~。以上。「忠臣蔵の密室」(田中啓文)。おもしろい設定だった。もし、赤穂浪士が討ち入った時に、すでに吉良さんが殺されていたら・・・?というミステリ。NHKの大河ドラマの印象が強いので、どうしても大石さんがあの人の顔になってしまう・・・。しかし、ジョン・ディクスン・カーと密室殺人と符号をつなげるあたりのこじつけは好きになれなかったー。「紳士ならざる者の心理学」(柄刀一)。むー、予想通りの犯人とトリックだったのだけれど、当たったら当たったでつまらない。笑。「心あたりのある者は」(米澤穂信)。校内放送から推論を組みたてていくお話。可能性を示唆するところで終わったのが残念だなあ。結末とまではいかなくても、何かを匂わせて欲しかった。
感想を書くのが遅くなったので、記憶も薄れてゆき、なんとかしぼりだしてみた結果がこれです。ヒット作が無かったせいか、ぼんやりとした輪郭しか覚えていない作品がほとんど。


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