「パラドックス13」
13時13分からの13秒間、地球は“P-13現象”に襲われるという。その瞬間、目前に想像を絶する過酷な世界が出現した。なぜ我々だけがここにいるのか。生き延びるにはどうしたらいいのか。いまこの世界の数学的矛盾を読み解かなければならない。
SFと東野さん、意外な組み合わせ・・・。
30ページを超えたあたりで、頭の中にもやもやっと展開が浮かんだので、続きを読まないでおこうかと思ったのですが(だって450ページくらいあったし)、いやいや、本は最後までわからないしな・・・と気をとりなおして読みました。頑張ったけれど、そんなにびっくりするオチもありませんでした。残念。
サバイバルで極限状態、という設定はありふれたものですが、なんとなく「漂流教室」が一番近いかなーと思います。「漂流教室」の方が何倍もコワイけど・・・。
主人公の久我兄弟が好きになれなくて、話に乗れなかった。お兄ちゃんは、警視庁のエリート警視で、どんな状況にあっても冷静で客観的な視点を崩さない人。サイボーグみたいである意味一番怖かった。その後、新しい世界の創造という建前でもって、子供を作る話を提案してみたり、人数が少なくなると生存の確率が下がるという建前でもって、死ぬのに反対してみたり。自分のエゴを持ち出すのに、いちいち建前を持ってくるところが気持ち悪かった。結局あれでしょ?菜々美さんが好きなんでしょ?そいで自分は死にたくないし、一人だと寂しいから一緒に生きて欲しいんでしょ?で、あわよくば子作りもしたいんでしょ?・・・と意地悪な見方しかできない私・・・。
・・・弟くんは言わずもがな、というところ。そもそも兄ちゃんが死んだのは彼のせいだし、現世に戻ってきてちょっとは反省したのかと思いきや、ラストは病院で女子高生にトキめいて終わりって!兄弟愛はどこに!?
三ヶ月の乳幼児ってミルクやっておしめかえてりゃいいってもんでもないだろうに。この赤ちゃんの生命力はハンパないな!
ヒューマンドラマがテーマなのかなーと思いましたが、その辺については何も感じませんでした。極限状態なのに、みんなお行儀良すぎ。恋愛に関しても、毎度のことながら淡白すぎる。笑。
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