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読書の記録です。

「ホルモー六景」

万城目学/角川書店

不可視の「オニ」を使役し、各大学の覇権をかけて争う「ホルモー」。「鴨川ホルモー」の各登場人物にスポットを当てた短編集。

万城目さんといえば、この前の「世にも奇妙な物語」の「はじめの一歩」、おもしろかったです。今、遠藤憲一さんがアツイ!「てっぱん」観てますかー!
「鴨川ホルモー」が、最後あまりにも幸せな終わり方をしていたので、続編だったら、ひたすら幸せオーラを振りまいているのかしらん。それは、厳しい・・・!とびくびくしながら読み始めましたが、そんなことはなかった!色んな登場人物がフォーカスされていて、おもしろかった。話の切り口もそれぞれ違っていて、万城目さんってすごいなあと感心しました。
「鴨川(小)ホルモー」友情か、恋愛か。友達が結婚する時って、もっと寂しいよなあ。もちろん嬉しいのだけれど。オニ語がもっとソフトだったら良かったのに!笑。最後は感動しましたよ。いや、ホントに。
「ローマ風の休日」凡ちゃん、実はモテていた!いいなー。年下もいいなー。楠木さんサイドの心の動きを書いた回。少年が実にかわいい。そして、確かにローマの休日っぽい・・・!うまい・・・!
「もっちゃん」まあ、梶井基次郎とまではわからずとも、現代っぽくはないなと思ったわけですよ。でも、阿部って呼んでるし、鼻が好きやし、もしかするともしかするのかしら?と思っていたら、やっぱり檸檬だったのでした。なんじゃそりゃー!
「同志社大学黄龍陣」元カレが、例のあの男でしたねー。ほいほい会いにいっちゃダメだって、と思うのは私が淡白だからで、やはり(あんな男でも)すごく好きだったのねえ。と少し同情した。少女よ、大志を抱け!
「丸の内サミット」この題名を選んだセンスがステキ!京都だけかと思っていたら、関東にもホルモーがあったんですねー。全国都道府県にあったりして・・・。そしたらおもしろいなあ、とホルモーに思いを巡らせた一編。
「長持の恋」「鴨川ホルモー」を読んだあとは、高村のくせに彼女だと!と勝手に思っていたような気がする。でも、これを読んだら一気に許せた。むしろ、めっちゃええ話でした。時代を超えた恋って、先述した「世にも~」で「栞の恋」というお話があったように、結構使い古されたテーマなのですが、何度読んでもいいモンはいいのよ!


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