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読書の記録です。

「ルパンの消息」

横山秀夫/光文社

15年前に自殺として処理された女性教師の墜落死は、実は殺人事件だった。時効まで24時間。捜査陣は、女性教師の死と絡み合う15年前の「ルパン作戦」に遡っていく。

「ふ~じ~こちゃ~ん」
のルパンではありません。私はそう思っていましたよ。ええ、そりゃもう。笑。
“ルパン作戦”というのは、学校からテストを盗み出す作戦。しかも3回も!勉強しろよお前ら・・・。なぜに三億円事件?と思っていましたが、最後の最後に「ああ、それでか」と思わせてくれます。しかし実は、まだ完全に納得できてない気分・・・。
時効まで24時間という中で、刑事達の奮闘ぶりがかっこいい。特に婦警さん最高。色々ご都合主義も発動はしてますが・・・。
私としては動機に同情の余地は無いと思うのですが。誘いに乗る方も乗る方だし、イヤならきっぱりと断るべき。それで限界が来たら殺しておいて、実は我慢してただの、苦しかったの言われましても、それは自業自得でしょうが。何、この優しい扱い。
とはいえ、二重のからくりには満足しましたし、おもしろかったと思います。
最後に、不審に思った点は“社会派”との謳い文句。「え?」という感じです。三億円事件が出てきたから?少なくとも私の感覚では、本作は社会に何も問いかけていないと思うのですが、いかがでしょう。


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