「名探偵登場!」
超絶難事件は解決されうるのか!?名探偵たちはいったいどんな推理を繰り広げるのか?通常では考えられない執筆陣容を誇る贅を尽くした華麗なる競演。驚愕必至の捜査と、予測不能の結末!13の難事件に挑む13人の名探偵。古今東西の名探偵たちへの超偏愛アンソロジー。
名探偵って言ったら、ミステリーだと思うじゃないですか。しかも執筆陣は、普段ミステリーのジャンルでは見かけない作家さんばかりで、こいつはおもしろそうだ!と期待していたのですが・・・。ミステリーのアンソロジーだと思って読むと、肩透かしをくらいますので要注意。
印象に残ったものをいくつかピックアップしたいと思います。
「科学探偵帆村」(筒井康隆)最初は、一体何の話なんだ?と思っていましたが、最後で脱力の種明かし。ぶっ飛んだ話ですが、処女懐胎を説明するにはコレしかない!笑。
「遠眼鏡」(木内昇)成功すると大ぼらを吹いて上京した男が、アパートで宝探しに挑む・・・話。暗号を解いて、何が出てくるのかな?と思ったら、味噌汁の作り方かーい!喜ぶの大家さんだけやん!そうか、秘伝の味噌汁という伏線はここに・・・と脱力したり納得したり。バカバカしいオチですが、私は木内さんの脱力ネタが好きなので、大変楽しめました。明智イメージを大きく覆す明智先生も登場します。しかも、何の役にも立ってない。笑。
「三毛猫は電気鼠の夢を見るか」(海猫沢めろん)喋れるようになった猫が探偵。SFだと思いますが、ミステリーとしての形式も踏襲しているので、アリかな。
「ぼくの大伯母さん」(長野まゆみ)これも途中まで、何の話?って感じでしたが、最後であらまあそうだったの、という感じで納得はしました。というか、お茶がおいしそうでした。
「a yellow room」(谷崎由依)これまた何の話やねん、という話でしたが、最後の方の余韻を覚えていたので・・・。要するに、探偵が犯人でその子供が探偵としてやってきたという話ですよね?
「フェリシティの面接」(津村記久子)これを読んでいるときは知らなかったのですが、アガサ・クリスティの小説に登場する秘書(フェリシティ・レモン)が登場しています。最後は、なんとかオチはついていますが、これを推理と言っていいのかどうか・・・。
冒頭でも書いたように、ミステリーのアンソロジーだ!という先入観のもとで読んだので、???が続く本でした。謎ときとかどうでもいいっていう。
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